2018 Fiscal Year Annual Research Report
癌におけるNotch signal活性化レポーター細胞の樹立と動物モデル作成
Project/Area Number |
18H00353
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Research Institution | 医療法人 葵鐘会 |
Principal Investigator |
杉山 麻衣 医療法人葵鐘会, ベルリサーチセンター産婦人科産学協同講座, 研究員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | Notchシグナル / 微小環境 / Heterogeneity |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 : 卵巣癌は婦人科癌の中でも最も予後の悪い癌である。進行した状態で発見されることが多く、化学療法による治療によって一旦は収束するものの再発率は高い。我々は現在、卵巣癌におけるNotchシグナルの寄与について、がん微小環境を形成するヒト腹膜中皮細胞との相互作用の観点から研究を進めている。近年癌の治療抵抗性獲得の1つの要因として腫瘍を形成する細胞のHeterogeneityが言われている。本研究により、微小環境形成と癌のHeterogeneity形成の分子メカニズムの一旦を明らかにすることで、新たな卵巣癌治療法の確立の一助となることで社会学的意義は大きいと考え研究を進めてきた。 方法 : Notchシグナルの標的遺伝子であるHES1のpromoter領域等をクローニングし、Notchシグナルが活性化時にGFPが発現するようにプラスミドに組み入れた。ゲノム編集技術やレトロウイルスによりレポーター安定発現細胞株を作成した。 成果 : Notchレポーター安定発現株を作成し、Notchシグナルを強制的に亢進させた際に細胞質全体にGFPが発現することが確認できた。さらに、腹膜播種におけるがん微小環境形成時を模倣するin vitro共培養系において、他のアッセイによりがん細胞でNotchシグナルが亢進することが確認出来ている条件と同様の条件下において、レポーター細胞株でヘテロにGFP発現することが確認できた。この細胞株を用いて経時的にGFP発現を観察できた。本研究により作成できたNotchシグナルレポーター細胞株を用いて、今後はGFP±の細胞集団を分取し、細胞間の機能比較を実施することでNotchシグナルと微小環境形成・癌のHeterogeneity形成の分子メカニズムの解明を目指したい。
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Research Products
(3 results)