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2018 Fiscal Year Annual Research Report

バンコマイシンの血中濃度を利用したβ-ラクタム系抗菌薬の投与量設計法の構築

Research Project

Project/Area Number 18H00388
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山口 諒  東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師

Project Period (FY) 2018
Keywordsバンコマイシン / メロペネム / 薬物動態
Outline of Annual Research Achievements

【研究の背景・目的】
VCMはTDM結果に基づき通常投与量以上に増量するケースがあるが、併用されるβラクタム系抗菌薬(BLs)の増量はほとんど行われていないのが現状である。そこで、本研究では、VCMとBLsの投与量の相対比と血清中BLs濃度との関係を定量的に評価し、VCMのTDMデータからBLsの至適投与量を算出する方法論を構築することを目的とする。本研究はすでに日常的に実施されているVCMの血中濃度測定結果を利用して一般的に濃度測定がなされないBLsの個別化投与量設計を可能とすることを患者個別に目指す研究である。
【研究方法】
2018年度にVCMを通常の添付文書用量(1g×2回)以上で開始しかつBLs(メロペネム、セフェピム、ピペラシリンタゾバクタム)を併用した症例を対象とした。なお、18歳未満の小児、周術期予防投与、投与3日未満、クレアチニンクリアランス(CCr)50mL/min以下、BLs投与後2時間以内のTDMの症例は除外した。対象症例を、TDMの結果1g×2回でVCM濃度を治療域内に維持できた群(通常群)とVCM濃度を治療域内に維持するため1g×2回以上が必要であった群(高用量群)に分け、各群におけるBLsの投与量、年齢、性別、身長、体重、腎機能マーカー(CCr、eGFR)を調査した。対象症例のTDM残検体を回収し、LC-MS/MSを用いて併用されているBLsの濃度を測定した。これらの測定値を基に、BLsのクリアランスを推定すると共に、緑膿菌を想定してTime above MIC(TAM)を算出し薬物動態学的な整合性について検討を行った。
【研究成果】
2018年度の間にVCMとBLsを併用し対象基準に該当した27例(高用量群14例、通常群 : 13例)を解析対象とした。VCMの増量に併せてBLsの用量を増量した症例はなかった。高用量群と通常群を比較した結果、高用量群においてVCM及びBLsのクリアランスが高く、緑膿菌に対するBLsのTAMは低い傾向にあった。このことから、VCMとBLsの投与量調節の整合性が不十分であり、VCMの投与量増量の程度に合わせてBLsの投与量も適切に増量する必要性が示唆された。今後更に対象症例数を増やし、解析を行う予定である。

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Published: 2020-03-17  

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