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2018 Fiscal Year Annual Research Report

肺動脈性肺高血圧症新規治療薬セレキシパグの薬効及び副作用に影響を与える因子の探索

Research Project

Project/Area Number 18H00429
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

後藤 優理  千葉大学, 医学部附属病院 薬剤部, 薬剤師

Project Period (FY) 2018
Keywords肺動脈性肺高血圧症 / セレキシパグ / 血中濃度
Outline of Annual Research Achievements

肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺動脈圧の上昇を認める極めて予後不良な希少疾患である。近年、新規PAH治療薬としてセレキシパグ(Slx)が開発された。発売以降、複数のPAH患者に対してSlxが投与されているが、投与開始あるいは増量後に胸部不快感や呼吸状態の悪化を訴え、投与中止を余儀なくされる例が散見されている。これらの症状はSlx投与に関連すると診断されているが、投与中止となる患者の特徴に関して明確な因子は解明されていない。そこで本研究では、Slxの治療効果及び副作用に影響を与える因子を探索することを目的とした。
上記目的を明らかにするため、LC-MSを用いたSlx及び代謝物(MRE-269)の血中濃度測定の条件検討を行った。Slxの血中濃度測定に関する論文は報告されておらず、他のPAH治療薬の測定法を参考にしたが、既報の方法ではピーク形状が悪く保持時間が長いため、新規に測定方法の開発を行った。その結果、移動相にA液0.1%ギ酸 : B液アセトニトリルを用い、3:7の割合で流量0.2mL/minで送液することで、C18の分析カラムを用いて短時間で検出可能な測定条件を開発した。Slx及びMRE-269の保持時間はそれぞれ6.3分、6.2分であり、m/zはそれぞれ497.3、420.3であった。続いて血漿からの抽出方法の条件検討を行った。他のPAH治療薬では固相抽出法が用いられているが、Slx及びMRE-269は極性が異なり、同条件では抽出困難であった。また、定量に際し内標準物質を同時定量する必要があるが、質量分析の際に内標準物質として推奨される重水素体は販売されておらず、内標準物質の選定と抽出法の条件検討が必要であった。内標準物質として、SildenafilやTadalafil、Riociguat等を候補物質として条件検討を行ったが、MS検出器のトラブルにより測定が中断しているため、復旧後に再検討する。一部の医療機関でSlxの治療効果及び副作用に影響を与える因子の探索が行われているが、現時点で明確な因子は報告されていない。血中濃度測定は有用な情報を与える可能性があり、今後も継続して研究を行う。

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Published: 2020-03-17  

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