2018 Fiscal Year Annual Research Report
エクソソーム膜タンパク質に着目した膠原病の新規バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
18H00468
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
生戸 健一 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | エクソソーム / 膠原病 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
膠原病は全身の関節、筋肉、皮膚や肺などの臓器が自己免疫機序により障害される全身性自己免疫疾患である。膠原病の診断、疾患活動性の評価や治療効果の判定には有用な血液検査が存在しない場合も多く、診断や治療に難渋することが少なくない。そのため、発症早期に検出可能な診断マーカーや疾患活動性を客観的に反映する有用なバイオマーカーの開発が待たれている。 我々はこれまでの質量分析の研究から膠原病のうち多発性筋炎(polymyositis : PM)/皮膚筋炎(dermatomyositis : DM)の患者血清中で発現が高いエクソソーム膜タンパク質を数種類同定した。これらを候補分子として、市販抗体を用いたサンドイッチELISA測定系を確立し、新規バイオマーカーとして応用できるか否かを検討した。 エクソソーム表面マーカーと候補分子に対する抗体を組み合わせた測定系を検討したところ、PM/DMの新規バイオマーカー候補分子である膜タンパクAに対する市販抗体の反応性が良好であった。ウエスタンブロット(WB)やサイズ排除クロマトグラフィーによる詳細な解析から、血清中の膜タンパクAは可溶型ではなく細胞外小胞(EVs)由来であることを確認できた。しかしながら、膜タンパクAを発現するEVsはWBやELISAの結果から既存のエクソソームマーカー(CD9、CD63、CD81やホスファチジルセリン(PS))の発現量が低く、エクソソーム由来ではなくエクソソームとサイズが同等の他のEVsの可能性が示唆された。現在、膜タンパクAを発現するEVsを効率よく検出可能な測定系を確立している段階であり、準備が整い次第、PM/DMの新規バイオマーカーとしての臨床的有用性を検証する予定である。
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Research Products
(1 results)