2018 Fiscal Year Annual Research Report
自己存在感・自己有用感を高めるための体育科授業モデル開発と有効性についての研究
Project/Area Number |
18H00526
|
Research Institution | 大阪市立西天満小学校 |
Principal Investigator |
西岡 毅 大阪市立西天満小学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2018
|
Keywords | 体育科教育 / 自己存在感 / 自己有用感 |
Outline of Annual Research Achievements |
器械運動領域では、自己の体と対話することを通して、個人の技能を高める授業モデルが多くある。しかし、個人の技能を高めることにこだわるあまり、運動が苦手な児童は、劣等感を持つことがあり、自分の存在を価値あるものとして受け入れることが難しい。 そこで、本研究では、器械運動領域の跳び箱運動において、運動者中心に授業を展開するのではなく、運動を観察しアドバイスする運動観察者を中心に授業展開し、運動をしない運動観察者が自己存在感と自己有用感を高められる授業モデル開発と有効性について調査し、分析を行った。 検証対象は、小学4年生で実施し、台上前転で検証した。授業では、運動者1名に対して運動観察者2名で1グループを作り、運動観察者に焦点を当てた授業を進めた。運動観察者は、運動者の補助についたり、技ができるためのコツを伝えたりして、運動者の動きが上達できるようにアドバイスをした。また、運動観察者は、運動者の動きをタブレット端末で撮影し、動画を見ながらアドバイスができるようにした。動画を見ながら振り返ることで、運動者と運動観察者のイメージが合わさり、運動者がよりアドバイスを具体的に捉えられるようにした。また、録画された映像から形成評価を行い、運動者の動きが毎時間どのように変容したかを記録することで運動観察者のアドバイスが役に立っている実感を持たせることができた。運動観察者の意識の変容の分析では、毎時間の授業後に運動観察者に自己存在感と自己有用感に関するアンケートを行い、意識の変容の調査を行った。そこでは、単元が進むにつれ「アドバイスを受け入れてもらえることができた」「自分は、グループで信頼された」「グループで役に立つことができた」という自己存在感や自己有用感の高まりが見られた。これは、運動観察者中心に授業を展開し、アドバイスを通して、意欲的に学習に参加することができたことが表れていた。
|
Research Products
(1 results)