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2018 Fiscal Year Annual Research Report

急性高山病(AMS)予防のための個人の特性に合わせた水分摂取量の特定

Research Project

Project/Area Number 18H00528
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

松本 晴年  名古屋市立大学, 薬剤部, 薬剤師

Project Period (FY) 2018
Keywords高山病 / 水分摂取 / 予防
Outline of Annual Research Achievements

【研究目的】名古屋市立大学蝶ヶ岳ボランティア診療所を受診した登山者のうち1,064名を対象に登山中の水分摂取量と急性高山病(AMS)発症との関連を解析した結果、水分摂取量が1,100mLより多いとAMS発症率が有意に少ないことを明らかにした(登山医学, 37 : 144-149, 2017)。本研究では、水分摂取量の算出について縦走・非縦走の影響、各人の体重および登山時間での標準化、症例数を増やすことにより統計学的により詳細な解析をめざした。具体的には、カイ2乗検定によりAMS発症と水分摂取量との関連を解析した。
【研究方法】2008~2017年に当該診療所を受診した登山者1,515名を対象とした。診療録より、AMSと非AMSの患者数、縦走・非縦走登山者数、登山時間・体重および各患者の水分摂取量などの情報を抽出した。ROC曲線にてAMS発症に関わる水分摂取量のcut-off値を算出し、この値を基にカイ2乗検定を行うことでAMS発症と水分摂取量との関連を解析した。
【研究成果】縦走登山者(n=292)でのROC曲線から水分摂取量(mL/kg/h)のcut-off値は、1.86であることが分かった。水分摂取量1.86以上でのAMS患者数は52名、非AMS患者数は149名、水分摂取量1.86未満でのAMS患者数は39名、非AMS患者数は52名であった。カイ2乗検定の結果、水分摂取量が1.86より多いとAMS発症が有意に少ないことが分かった(P=0.00432)。非縦走登山者(n=533)でのcut-off値は、2.76であることが分かった。水分摂取量2.76以上でのAMS患者数は87名、非AMS患者数は173名、水分摂取量2.76未満でのAMS患者数は119名、非AMS患者数は154名であった。水分摂取量が2.76より多いとAMS発症が有意に少ないことが分かった(P=0.0206)。
これらの結果から、本研究の対象データではAMSの発症には体重・登山時間で標準化した水分摂取量が関連している可能性がある。今回の解析では解析に必要な情報がそろった患者のデータが限られていることから今後は体重・登山時間の正確な把握に努め、症例数を蓄積することで頭痛と水分摂取量との関連をより正確に調べたい。

Research Products

(1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 蝶ヶ岳での登山中の水分摂取量(mL/kg/h)と急性高山病発症との関連2018

    • Author(s)
      酒々井眞澄、佐々木貴久、松本晴年、坪井謙、薊隆文
    • Organizer
      第38回一般社団法人日本登山医学会学術集会
    • Place of Presentation
      日本女子体育大学(東京都世田谷区)
    • Year and Date
      2018-06-02

URL: 

Published: 2020-03-17  

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