2018 Fiscal Year Annual Research Report
スマートフォンのWi-Fi電波を利用した災害等における要救助者探索補助装置の開発
Project/Area Number |
18H00535
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
小泉 敦 富山高等専門学校, 技術室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | スマートフォン / Wi-Fi / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
豪雨豪雪による土砂崩れ・水害・雪崩などの自然災害によって、土砂や雪、瓦礫などに人が閉じ込められてしまう被害が発生している。救助活動は要救助者が発する声や音を頼りに行っているが、他の救助活動や報道のための車両やヘリコプターの騒音や、要救助者が声を発することができないなどの条件が重なると、救助隊員に声が伝わらず発見が大幅に遅れてしまう。 本研究では保有率が7割を超え、要救助者が携帯している確率も高いと考えられるスマートフォンのWi-Fi機能に着目し、Wi-Fi機能が定期的に放つ電波(probe request)を捕捉することで要救助者の発見を補助する装置を開発した。装置は小型コンピュータボードRaspberryPiとUSB無線LANアダプターを組み合わせて作成した。 実験のために、強制的にprobe requestを発出するスマートフォンアプリを作成し、アプリをインストールしたスマートフォンで実効性を確認するための実験を行った。実験では、スマートフォンを地中や雪中に埋めた状態で、開発装置を用いて電波(probe request)を計測した。 地中(土)の深さ20cmに埋めて計測を行ったところ、電波を捕捉可能な範囲は狭く不安定な計測結果が得られた。計測地点の土の含水比が高い状態にあったことが主な原因と考えられる。 雪中に埋めて計測を行ったところ、10m離れた場所から電波を捕捉可能であるなど、広い範囲から電波を捕捉できる結果が得られた。雪の比誘電率が低いことが、広い範囲から捕捉可能である要因であると考えられる。 本研究で開発された安価で汎用的な小型コンピュータボードとUSB無線LANアダプターの組み合わせた装置は、雪中に閉じ込められている人の捜索を補助する能力を有することが確認された。
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Research Products
(1 results)