2018 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット分解と部分空間法を用いた偽変造証明書真偽識別支援システムの開発
Project/Area Number |
18H00548
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Research Institution | 茨城県警察本部 |
Principal Investigator |
古川 猛 茨城県警察本部, 警察職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | プリンタ / 部分空間法 / ウェーブレット分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究の目的 本研究の目的は、偽変造された旅券等を専門家による特別な機器を使用した検査でなく、警察官や一般の受付業務に携わる人が見分ける支援システムの開発である。2020年に開催される東京オリンピックを控えテロの未然防止のため不審人物の身元確認が必要とされている。バイオメトリクスを利用する方法は、識別力も高く有効である。しかし、画像の取得や認証に特別な機器が必要となる。従来、身元を確認する方法として旅券、在留カード、運転免許証などのIDカードが広く用いられている。しかし、近年、イメージスキャナを搭載したインクジェットプリンタの普及に伴い、より手軽に精巧な偽変造が可能となった。この様な偽変造証明書は、専門家によれば真偽の見分けは簡単であるものの、警察官や一般人にとっては荷が重い。そこで、簡単に区別するための支援システムを開発する。 2 研究方法 これまでに開発したトナーを色材として使用する電子写真方式のレーザープリンタ類を対象とした方法を応用し、今回、さらに、3機種のインクジェット方式のプリンタ類による印字サンプルを実験に追加した上で、機械学習により印字からプリンタの印刷方式が比較可能か検討した。使用した特徴量はウェーブレット分解による波形、識別手法は部分空間法とした。部分空間法の長所は、同じ機械学習の手法の一つであるサポートベクターマシン(SVM)と比較して、多クラスの識別が容易である点、さらに、ディープラーニング等のニューラルネットワークと比較して、数学的定義が明確である点があげられる。 3 研究結果 カーネル直交相互部分空間法を使用したプリンタの印刷方式識別実験の結果、誤識別率0.0243、等価誤識別率0.0064を得た。よって、真偽識別支援システムの基礎技術を確立した。
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Research Products
(6 results)