2018 Fiscal Year Annual Research Report
画像からインパルス性雑音を検出除去するフィルタの限界的な性能の指標に関する研究
Project/Area Number |
18H00549
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
横山 靖樹 長野工業高等専門学校, 技術支援部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 画像処理 / インパルス性雑音 / 雑音除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
デジカメ等に使われるイメージセンサのセルの感度差や低照度時、また伝送時において様々な雑音が加わる。その雑音の一つにランダムな濃度値を持ち、位置についてもランダムで孤立して現れるインパルス性雑音が挙げられる。 従来のインパルス性雑音を除去する方法であるメジアンフィルタ(MF)は、雑音でない画素(正常な画素)にもフィルタ処理を適用するため、正常な画素を劣化させ画質を劣化させる問題がある。その問題を解決する方法として雑音画素のみを検出し、雑音画素のみにフィルタ処理を適用するスイッチング型のMF(スイッチングメジアンフィルタ : SMF)が数多く提案されている。我々もこれまでに2つの発展型の提案しており、本研究において3つ目のフィルタ(裏面の雑誌論文参照)を提案した。SMFの画質に関する性能において、雑音の検出精度が非常に重要な指標となるが、その性能の向上は限界に近づいており、検出精度の面からのフィルタの性能の改善が難しくなりつつある。 そこで、さらにフィルタの性能を向上させる方法として、復元処理の改善が考えられる。復元処理の際、メジアンフィルタ等のフィルタの多くは近傍画素から復元画素を取得する。この近傍画素の中により元画像の画素値に近い画素があるのではないかと考え、それらの画素値を使い復元した画像の画質について調べた。 これまでの方法では、復元に単純なMFを用いることを想定したが、今回の研究では、近傍画素の中から元画像の画素値に最も近い画素値の画素を選択して画質を確認した。その結果、256×256画素のSIDBA画素(標準画像)の実験において、雑音の割合が10%の場合、これまでの限界値が約35dBであったものが、今回確認した限界値では約45dBと、改善の余地があることが確認できた。今後は、雑音検出精度の改善に加え、復元手法の改善が画質の向上に繋がる可能性があることを確認した。
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Research Products
(5 results)