2019 Fiscal Year Annual Research Report
Forcused Research on 18th Century Notarial Docments for the Construction of the Music and Theatre History of Naples
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18H00625
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 高誌 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (10580665)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 劇場史 / オペラ史 / イタリア音楽 / ナポリ / 公証人 / 興行 / 演劇史 / 18世紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は6月27日~8月1日まで主にナポリでの史料調査等を行ったほか、10月14日~31日にかけてメッシーナ劇場の史料調査、およびイタリア音楽学会全国大会(於マテーラ音楽院)、国際研究集会「南イタリアの音楽史学」(アヴェッリーノ音楽院)に参加し、本研究テーマに関わる発表とともに、専門分野の研究者との交流を行った。さらに、音楽に関連する資料研究の地域における展開を模索するため、熊本大学にてボン大学、共同国際シンポジウム「近代の“音”と“声”のアーカイブズ ~種々のメディア領域での取組と、熊本におけるこれからの展望~」を実施することができた。 公証人文書調査としては、当初の予定を超え、Nunziante Abbate史料(1773、1774、1777、1778、1779、1780、1781、1783、1787、1788)、Lorenzo Tufarelli史料(1769、1770)、Gaetano Manduca史料(1765、1769、1773、1774)の調査を行うことができ、とりわけフィオレンティーニ劇場経営者の死亡に関わって作成された引き継ぎのための会計文書の発見は、これまで全く不明であった民間劇場にいた予約客者すべての名前と身分、チケット価格など詳細を明らかにすることができ、本研究にとって大きな進展を得ることができた。 なお、令和2年3月末にマテーラ音楽院で予定されていた作曲家ドゥーニに関する国際シンポジウム、および4月上旬にサン・ヴィート・デイ・ノルマンニで予定されていた作曲家レーオに関する国際研究集会、どちらも招へいされ参加を予定していたがコロナのためキャンセルとなったほか、令和2年4月、および秋にイタリアの研究者(Dinko Fabrisほか)を招聘して開催予定であった研究集会も同じくキャンセルとなったことは残念であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査において、当初より狙っていた史料記述を発見することができたため。ただし、令和2年度はコロナの影響で調査、企画がすべて白紙となっており、予定の延長なども視野に入れる必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の長期調査によって多くの新資料を発見することができた。しかし翌年度に予定していた現地調査、シンポジウム企画、音楽祭企画は、コロナの影響ですべてキャンセル、あるいは規模縮小となり、当面は論文等の作成によって研究成果の報告を行いたいと考えている。
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Research Products
(8 results)