2020 Fiscal Year Annual Research Report
十七世紀尾張藩における〈文化としての武〉に関する諸藩対照研究
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18H00644
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
中根 千絵 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (80326131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
龍澤 彩 金城学院大学, 文学部, 教授 (00342676)
小助川 元太 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30353311)
鈴木 彰 立教大学, 文学部, 教授 (40287941)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文化としての武 / 17世紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
「説話・伝承学会」(先年度大会4月28日(土))で行った「城郭の怪異」と題したシンポジウムを基に、『城郭の怪異』の出版を企画し、「城郭の怪異」の全体像を俯瞰する目論見で執筆依頼を行った。 先年度に行った愛知県名古屋市の徳川美術館でのシンポジウム「中世から戦国の合戦図をめぐって」に基づき、中世・近世の国文学・美術史学など様々な視点から屏風・絵巻形式で数多く製作された合戦図の研究を大きく捉えるような本を作成するべく、徳川美術館薄田大輔氏に総論、立教大学兼任講師 出口久徳氏には「源平合戦イメージの展開」、防衛大学教授 井上泰至氏には「戦国合戦のイメージ形成―軍記類と絵画」についての論をお願いした。その他、軍記物を専門とする研究者に執筆依頼を行い、同時に、掲載図版の許可申請等を行い、豊富な図版と第一線で活躍する研究者の論を一堂に会することで、今後の合戦図の研究に資する本の企画を行った。 愛媛県今治市河野美術館蔵の近世期に作成された平家物語の下絵復元についての打ち合わせを行った。 永青文庫蔵の奈良絵本「太平記」の出版のための準備を行った。主に、撮影した絵と前後の本文をつきあわせる作業を行った。 EAJS国際学会の研究発表に向けて、「覚書」が刀剣伝承、漢故事、兵法に関する軍記物語の引用、書き手の問題など、「いくさ物語」という「文学」に近い要素をもっていることの問題点を提起すべく、同パネル内のトンマージ先生やセリンジャー先生、科研費メンバーの鈴木彰氏、小助川元太氏と打ち合わせを行った。 『昔物語治聞集』の翻刻・解説を行った本を出版した。中世の説話集である『古今著聞集』と『宇治拾遺物語』が江戸時代初期においていかに解釈され改変されたのかを明らかにする試みとして、その基礎資料を提示したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により、海外での研究・調査を断念したものの、その分の時間を本の執筆にあてることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ようやくコロナ禍も落ち着いてきたので、中断していた河野美術館でのシンポジウムや各方面への調査などを再開し、当初の予定を遂行したい。
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Research Products
(4 results)