2019 Fiscal Year Annual Research Report
共通語の基盤としての東京語の動態に関する多人数経年調査
Project/Area Number |
18H00673
|
Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
尾崎 喜光 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (10204190)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 ゆかり 日本大学, 文理学部, 教授 (40305503)
三井 はるみ 國學院大學, 文学部, 教授 (50219672)
林 直樹 日本大学, 経済学部, 講師 (70707869)
鑓水 兼貴 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究情報発信センター, プロジェクト非常勤研究員 (20415615)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 多人数経年調査 / 東京都 / 言語動態 / WEB調査 / アーカイブ調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年次は、東京都在住者約1,000人を対象とする「コア調査」を中心に研究を進めた。「コア調査」では、非音声項目は1,049人から、音声項目は1,039人から回答を得た。 2年次は、1年次に実施した「コア調査」の音声項目について聞き取りを進めるとともに、非音声項目を中心とする一部の項目については分析を行ない学術論文として発表した。 これに加え、調査会社への委託により、全国WEB調査と首都圏WEB調査を実施した(業者はいずれも相見積により選定)。このうち全国WEB調査は研究分担者の田中ゆかりと林直樹が担当したが、全国21政令指定都市在住の生え抜きを対象に2020年1月に実施した。音声項目・言語意識項目を中心とする設問数は76問で、1,367人(3年齢層×男女)から回答を得た。一方、首都圏WEB調査は研究分担者の三井はるみと鑓水兼高が担当したが、首都圏(1都6県)の100エリア在住の生え抜きを対象に2019年秋に実施した。首都圏内での地域差が見込まれる語彙項目を中心とする設問数は104問で、796人(2年齢層)から回答を得た。 アーカイブ調査については、「放送ライブラリー」(横浜市)において、過去に放送されたテレビ番組(ドキュメンタリー)を視聴し、女性文末詞表現の出現割合を明らかにする調査を実施した。13回の調査(調査日数は25日間)により311件のデータを蓄積した。1年次とあわせて548件のデータを蓄積した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた全国WEB調査と首都圏WEB調査を今年度実施できた。1年次に実施したコア調査の項目の一部を分析して学術論文として発表した。また、データ数が多いため2年次に完了までは至らなかったが、1年次のコア調査のうち音声項目の録音聞き取りを進めた。アーカイブ調査についても月1回程度のペースで実施し、一定数のデータを蓄積することができた。こうしたことから、本研究はおおむね順調に進展していると評価することができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1年次の「コア調査」の非音声項目についてはさらに分析を進めて学術論文として発表する。音声項目については主として研究代表者が聞き取りを進め、聞き取り完了とPCへのデータ入力、集計・分析をめざす。 2年次に実施したWEB調査については研究分担者を中心に分析を進め、一部の項目については学会・研究会等での口頭発表および学術論文としてまとめることをめざす。なお、全国WEB調査については、調査項目ないしは調査対象をさらに充実させる形で3年次も実施する。 アーカイブ調査については引き続き月1回程度のペースで調査を継続する。 本研究で得られた成果については、パネルディスカッション形式の研究集会においてその一部を報告するとともに、研究組織以外のパネラー等から意見や助言を受けることで、学術界・実社会への貢献のあり方を探る。
|
Research Products
(4 results)