2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Social History of the Muslim Family and Islamic Law in Modern Central Asia
Project/Area Number |
18H00706
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯貝 健一 京都大学, 文学研究科, 教授 (40351259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和崎 聖日 中部大学, 人文学部, 講師 (10648794)
阿部 尚史 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (20589626)
堀川 徹 京都外国語大学, 国際言語平和研究所, PAX MUNDI 特別研究員 (60108967)
矢島 洋一 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (60410990)
宮下 修一 中央大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
磯貝 真澄 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (90582502)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ウズベキスタン / ロシア連邦 / 中央ユーラシア / 家族史 / イスラーム法 / 古文書 / 聞き取り調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は8~9月にウズベキスタン共和国で資料収集、聞き取り調査を実施するとともに、9月にはロシア連邦での資料調査を実施する計画であった。また、国内での活動として、6月と11月にそれぞれ仙台と静岡(または京都)で研究報告会、3月には京都で古文書研究セミナーを開催する計画であった。しかしながら、周知のように新型コロナウイルスの流行により海外出張は全てキャンセルとなった。ただし、国内での開催を予定していた上記研究報告会、セミナーは、状況に応じてオンラインまたはハイブリッド形態で開催することによりすべて実施することができた。また、本科研の成果の一部として、2月に論集『帝国ロシアとムスリムの法』(磯貝真澄・磯貝健一共編、昭和堂)を刊行した。 【ウズベキスタン共和国およびロシア連邦内での資料調査等】上記のようにすべてキャンセルとなった。そのため、2021年度はメンバー各人が既収集の資料(2019年度までに実施した現地でのインタビューの文字起こし等も含む)の分析、検討作業を進めた。 【近代中央ユーラシア比較法制度史研究会】7月に全面オンライン形式で、12月には東北大学をオンサイト会場とするハイブリッド形式にて、計2回研究報告会を開催した。7月の研究会は参加者26名を得た(詳細は次のWebサイトを参照→http://tbias.jp/reports/20210703)。また、12月の研究会は参加者20名を得た(詳細は次のWebサイトを参照→http://tbias.jp/reports/20211218)。 【中央アジア古文書研究セミナー】3月26、27日の2日に渡り京都大学文学研究科附属羽田記念館をオンサイト会場とするハイブリッド形式でセミナーを開催し、25名の参加者を得た(詳細は次のWebサイトを参照→http://tbias.jp/reports/20220326)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、2021年度も、年度初めに申請した計画にある(1)ウズベキスタン共和国およびロシア連邦内での資料調査、(2)ウズベキスタン共和国での聞き取り調査、(3)国内での各種研究会、セミナーの開催、という3種の作業のうち、順調に遂行できたのは(3)のみであり、(1)(2)の実施は断念せざるを得なかった。従って、年度初めに提出した研究実施計画内に記載した通り、(1)(2)についてはメンバー各人が既に複写済みの資料や録音済みの現地インタビュー音声の分析、検討作業を進めた。(3)については、上に記載した通りオンラインないしハイブリッド形式で2回の研究報告会を開催した。7月の研究会では、比較の観点から現代イランの家族法および清代初期の相続について2名が報告した。また、12月の研究会では、現代中国の家族法およびヒヴァ・ハン国期の司法制度をテーマに2名が報告した。内、後者は外国人研究者による英語の報告であり、その後の討議も英語で行われた。3月の古文書研究セミナーは4名の講師を立て、2日に渡り開催した。テーマは、ヴォルガ・ウラル地域のアラビア文字テュルク語教区簿冊、帝政期フェルガナ州の離婚、寄進を扱うペルシア語ファトワー文書、帝政期サマルカンド州の反訴に関連するペルシア語ファトワー文書とヴァラエティに富んだ内容となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの流行が未だ収束しない中、国際情勢も極めて不安定となっているため、諸々の状況が好転した場合とそうでない場合の2パターンに分けて記載する。 【状況が好転した場合】おおむね申請書に記載した通り研究を実施する予定である。上記のように、2021年度は本研究の核となるウズベキスタンでの聞き取り調査が実施できなかったため、現地での調査が可能となった場合は8~9月に予定している現地での聞き取り調査件数を増やし、獲得されたデータの概要を秋の研究報告会で共有し、メンバー内で分析・検討する。ただし、ロシアでの調査は極めて困難となることが予想されるため、海外での資料調査はウズベキスタンのみで実施することになる可能性が高い。 【状況が好転しなかった場合】申請書に記載した計画の内、海外出張を伴う現地での資料調査、聞き取り調査を中止する。その分の作業量を既収集分の資料の分析・検討に充てると共に、国内での研究会、セミナーはハイブリッドないしオンラインでの開催に切り替えて予定通り実施する。また、これまで現地で収集した文書の一部について英語・ロシア語併記のカタログ出版を目指す。
|