2019 Fiscal Year Annual Research Report
Northern Expansion and Adaptation Limitations of Temperate Neolithic Culture in Northeast Asia
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18H00739
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 正宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20431877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江田 真毅 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (60452546)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新石器時代 / ロシア極東 / 日本列島 / 環境適応 / 国際学術交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度実施した調査、研究は以下の通りである。 1)サハリン島における遺跡発掘調査と遺物整理分析: 8月にサハリン国立大学付属考古学教育博物館と共同で、サハリン州ドーリンスク地区タコエ丘陵上における新石器時代遺跡群の分布調査を実施した。タコエ3遺跡で新石器時代前期の生活痕跡を発見し、その発掘調査を実施した。調査終了後、サハリン国立大学付属考古学教育博物館にて出土遺物の整理作業を行い、あわせて関連遺跡となるスタロドゥフコエ遺跡群から出土した新石器時代遺物群の観察調査を行った。 2)道東北における縄文時代遺跡分布の実態調査: 10月に稚内市教育委員会の協力を受け、道北の稚内市声問地区における縄文時代遺跡分布の範囲確認調査を実施した。恵北1遺跡とシュプントー5遺跡で北筒式期の遺物包含層を発見し、その性格確認のための発掘調査を実施した。調査終了後、出土遺物を東京大学考古学研究室に持ち帰り、整理・分析を進め、次年度早々に刊行予定の報告書の作成に取り組んだ。 3)ロシア国内における関連資料の調査: 9月にハバロフスク地方郷土誌博物館において新石器時代初期(土器出現期)および同前期のアムール下流域遺跡群から出土した遺物群の観察調査を実施した。これにより、オシポフカ文化からコンドン文化への変化を土器と石器の面から理解した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期計画にもとづく本年度の研究実施計画の研究項目通り、効率よく調査・研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も日露両国における野外調査を継続実施する必要がある。また、次年度から計4年間にわたる本研究の後半に入るため、今年度までに実施してきた野外調査の成果を正式報告し、成果の公開発表を行っていくことも必要となる。
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Research Products
(9 results)