2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Reconstruction of Archaeological dating and Process of Cultural and Ecological History in East Asia in the Neolithic period
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18H00744
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 謙一 中央大学, 文学部, 教授 (80303296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下岡 順直 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (10418783)
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (30634414)
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60270401)
佐野 雅規 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (60584901)
木村 勝彦 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70292448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 縄紋時代 / 炭素14年代測定 / 日本先史文化 / 年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
東アジア新石器文化に対し、炭素14、年輪、酸素同位体、ルミネッセンス、古地磁気の多様な年代測定法による実年代体系化を図り、気候復元など生態史と考古編年を対比させ、同位体分析による食性復元、定住度を反映する遺構の比熱痕跡分析など自然科学分析を先史試料に適用し、日本列島、朝鮮半島、中国大陸など東アジア新石器文化における自然環境と文化変化の関連、地域間交流史を体系化することを目的とする。 研究1年目として、分担者との研究打合せをおこない、研究方針について検討した。東アジア新石器文化に対し、炭素14、年輪、酸素同位体、ルミネッセンス、古地磁気の多様な年代測定法による実年代体系化を図る目的のうち、炭素14年代測定については日本国内および朝鮮半島の新石器時代に関する測定を30例以上重ねることができた。その結果について分析を進め、いくつかについては成果報告などによって示している。年輪年代、酸素同位体比については分担者とともに試料採取をおこない、測定準備を進めている。ルミネッセンスについても分担者と之までの測定例に関する評価を進めており、今後学会発表などで示していく予定である。 また、年代測定の試料を得る目的で、福島市による福島市和台遺跡の発掘調査に参加し、縄紋時代中期の年代測定用試料を採取した。出土土器などから、土器付着物によるtansの14年代測定、熱ルミネッセンス測定、古地磁気測定用の試料を選び、測定することを検討している。 まだ測定結果が出され、年代的位置づけについて評価できた例は多くはないが、小林謙一2019「韓国南東部の遺跡における炭素14年代測定」『紀要』第276号(2019/3),小林謙一「縄紋土器付着炭化物の同位体分析の検討-縄紋前期におけるC4植物の調理痕跡の可能性-」『日本文化財科学会第35回大会研究発表要旨集』(2018/8)などで示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に第1回の研究打合せもおこない、分担者や協力者と研究方針についての摺り合わせをおこなった。自らの研究方向として福島県にて縄文時代の発掘調査に関連した縄紋時代の試料採取をおこなうと同時に、韓国における新石器時代試料の年代測定をおこなうなど、東アジアにおける年代対比の一環となるデータ集成に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、日本各地の試料を採取し測定しつつ、韓国新石器時代・青銅器時代の試料を関係機関に照会し収集・測定する。年輪年代・酸素同位体分析が可能な縄紋時代の木材を収集し、測定する。福島県和台遺跡・井出上ノ原遺跡、愛媛県上黒岩第2岩陰遺跡、神奈川県大日野原遺跡、東京都滝坂遺跡など、これまでに研究代表者が発掘調査をおこなった遺跡出土試料で測定法の再検証を試み、検討会を行う。 平成32年度以降に、炭素14年代と年輪年代、酸素同位体比、ルミネッセンス法など複数の年代。測定法を相互に検証し、新たな視点を提示したい。その成果について、公開研究発表会をおこないたい。
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Remarks |
科研費で測定している年代値を集成したデータベース.2017年度小林科研年代測定値集成1~6 を掲載。
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Research Products
(12 results)