2021 Fiscal Year Annual Research Report
Reconsidering 'Unfree workers' in Britain and the British Empire c. 1800-2000
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18H00879
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥田 伸子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (00192675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 葉子 (並河葉子) 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10295743)
山本 千映 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10388415)
江里口 拓 西南学院大学, 経済学部, 教授 (60284478)
竹内 敬子 成蹊大学, 文学部, 特任教授 (80206945)
吉村 真美 (森本真美) 神戸女子大学, 文学部, 教授 (80263177)
三時 眞貴子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90335711)
大澤 広晃 法政大学, 文学部, 准教授 (90598781)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不自由な労働者 / 奴隷制 / 奴隷貿易 / イギリス帝国 / ヨーロッパ志願労働者 / 強制労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
21年度は、当初研究計画では最終年度であったが、コロナウィルス感染拡大のため研究計画の変更を迫られたことにより1年延長した。延長の結果、22年度末までに当初の目的であったイギリスの近現代史における「不自由な」労働を再考するという目的は達成し、社会経済史学会でのパネル報告、簡易版報告書の作成を行うことができた。 21年9月の研究会では、奥田伸子が「難民と不自由労働-1940年代イギリス」と題した報告を行った。第2次世界大戦直後にドイツなどのイギリス占領地で難民化した東欧出身者をイギリスの労働力不足分野に導入することを目的とした政策(ヨーロッパ史志願労働者)を題材に、国家による不自由労働者の創出をジェンダー、エスニシティの視点から検討した。 この間の研究をとおして、「自由」「不自由」の境界の曖昧さ、自由と経済的厚生水準の関連などの論点とともに、相互の研究の関連がより明確になり、「不自由な労働者」を「属性によって労働に著しい制約を受けるものの、当該社会においてその制約は妥当なものとされる労働者」と定義することが共通認識となった。当初、ベンチマークとしていた「ブリテン島生まれの白人」「成人」「男性」「法的に自由」な労働者に課された制約が明らかになり、女性労働史に対応する「男性労働史」の必要性も認識した。 こうした研究成果の上に、21年秋以降は、社会経済史学会全国大会におけるパネル報告準備を開始した。22年3月4月に科研メンバーおよび討論者を交えて準備会を開催し、5月1日にパネル報告を行い、多くの出席者を得て活発な質疑応答を行うことができた。 22年8月と11月には、インド洋における奴隷貿易の専門家を迎えて研究会を行い、南アフリカを除いて大西洋圏に偏っていた本研究に対して相対的な視点を得た。 以上から、研究計画の変更にもかかわらず、当初の目的は概ね達成したものと考える。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)