2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the relationship between "difficulty child" and fetal behavior
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18H00994
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸隈 誠一 九州大学, 医学研究院, 教授 (50380639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 晶子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00266082)
大村 吉幸 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任研究員 (10598022)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胎児 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト胎児の研究において、妊娠初期にはじまる全身運動や個々の運動、妊娠中期以降は胎児眼球運動等の観察を行い、対象者を生後追跡調査し胎児期の行動と生後の発達との関連について解析を行った。胎児の全身運動に関しては時系列データを作成し、現在解析中である。胎児眼球運動に関しては、胎児のレム睡眠の活動性を示す眼球運動密度と生後の発達との関連を認め、本内容に関して論文作成中である。 一方、児の発達には妊娠中の母親の身体活動や睡眠などのライフスタイルが関連していると仮定し、環境省エコチル調査の情報を使用し、妊娠前および妊娠中の母親の身体活動や睡眠と3歳までに診断された児の自閉スペクトラム症(ASD)との関連を解析した。その結果、妊娠中の身体活動レベルが高い母親では、3歳児のASDのリスク比(RR)は低かった(RR=0.61、95%信頼区間(CI)=0.42-0.90)。一方、妊娠中、睡眠時間が短い(6時間未満)あるいは長い(10時間以上)場合は、7~8時間の睡眠時間よりもASDのリスク比が高かった(睡眠時間短い:RR=1.87、95%CI=1.21~2.90、睡眠時間長い:RR=1.56、95%CI=1.00-2.48)。以上より、児の発達にかかわる環境要因として母体の運動や睡眠が認められた。 動物実験では、ラット胎仔を用いた研究を継続し、ラット胎仔の行動を無麻酔下にて超音波断層法により観察している。母獣への環境因子曝露を行い、ヒトとの対比研究から影響を受ける神経回路の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト胎児の妊娠初期胎動に関しては、解析を行い論文作成中である。胎児心電図を用いた心拍データや眼球運動データの解析を行っており、こちらも論文作成中である。一方で、ラット胎仔の行動を無麻酔下にて超音波断層法により観察し、外因の影響について検討を行っている。以上より、計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトとラットを対比させた研究においては、現在解析を進めている。ヒトとラットの発達における相同性と神経回路形成に関する解析を進め、ヒト胎児行動の解析結果と生後の育てにくさの関連に関して解析を行っていく。
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Research Products
(3 results)