2022 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの精神病リスク早期スクリーニング・システム運用検証とリスク介入戦略の構築
Project/Area Number |
18H00999
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
濱崎 由紀子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (50328051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 貴夫 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (00379158)
阪上 由子 滋賀医科大学, 医学部, 特任准教授 (00437170)
大平 雅子 滋賀大学, 教育学系, 教授 (40616190)
道越 秀吾 京都女子大学, データサイエンス学部, 准教授 (60572229)
松尾 雅博 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70456838)
眞田 陸 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90647710)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども / 精神病リスク / 統合失調症スペクトラム障害 / スクリーニング / 神経発達障害 / リスク介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
滋賀医大小児科・精神科、その他関連機関において6~18歳の初再診患者を対象に5年間前向追跡調査を行った。当該研究期間内に開発し特許取得(特許第6466548、2019)した双方向性Webシステム「子どもの精神病リスク早期スクリーニグ・システム CPSS」(臨床側から入力されたCBCLのデータを利用してサーバ内で精神病発症リスク%を計算し、臨床にリスク%を提示するシステム)を、小児科・精神科臨床にて運用しデータ回収を行った。 双方向性Webシステム内に集積したデータを解析の結果、CPSSは十分な統合失調症スペクトラム障害SSDの判別能(AUC= 0.840、感度88.9%、特異度75.3%)および1年後の発症予測能(AUC= 0.872、感度%92.3%、特異度77.9%)を持ち、且つ、神経発達障害(自閉症スペクトラム障害ASD、注意欠如・多動性障害ADHD)と統合失調症スペクトラム障害SSDとの鑑別に役立つことが確認された(Bonferroni method;SSDとASD、SSDとADHDそれぞれの有意差はp=0.004, p<0.001)。また、小児科・精神科臨床で考慮すべきCPSSリスク%のカットオフ値(CPSS=97.02%)を明らかにすることができた。小児科患者群のなかにもカットオフ値を超える精神病リスク群が少なからず存在することが確認された。 CPSSの発症予測能は従来使用されることの多かった精神病リスク指標(CBCL下位尺度「思考の問題」など)よりも高かった。精神科への早期リファーを必要とする精神病リスク患児の客観的補助診断法として、CPSSを小児科臨床に活用できることが明らかになった。CPSSはこれまで途絶しがちであった小児科臨床から精神科臨床への円滑な医療フローと早期リスク介入を可能にするものである。 以上の研究結果をまとめ、学会発表および論文発表を行った。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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