2020 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental behavioral genetic study of educational processes and their outcome by the twin method.
Project/Area Number |
18H01085
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安藤 寿康 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30193105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 雅道 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (10225782)
戸田 達史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30262025)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 双生児法 / 行動遺伝学 / 遺伝と環境 / 実行機能 / ストレスフルライフイベント / 主観的幸福感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学業成績、自己制御能力、文化的関心、社会性、職業興味、職業達成、収入、主観的幸福感など、教育的・社会的に形成された人間のさまざまな心理的・行動的形質を説明する遺伝的・環境的な個体差の要因分析を、関連する教育的・社会的変数(学校・家庭・地域社会・職場などでの環境や経験)、遺伝情報(遺伝子多型ならびにエピジェネティクスを含む)、脳画像変数(fMRIで測定された脳構造やresting stateによる脳機能)と関連づけるとともに、広義の「教育」によって形成される過程を、双生児法による行動遺伝学の手法によって明らかにする。そのために児童期後期(思春期初期)コホートと成人期コホートの縦断コホート調査を実施した。 成人双生児コホートはweb調査を実施し、主観的幸福感、生活史戦略、自尊心、ADHD傾向、自閉症スペクトラム傾向、家庭状況、ストレスフルライフイベント、疾病歴などと就学・就業・収入との関連を調べる項目を用い、約180組の回答を得た。これらの変数のうち、生活史戦略と疾病歴はこれまでの縦断調査において新規に追加した項目である。ストレス経験とうつ状態、そして主観的幸福感との間には主として遺伝的媒介、および縦断的連続性があることが示された。 遺伝子調査と脳画像調査に関してはコロナ禍のため対面調査が実施できなかったが、最新の知見に基づく分析手法に関しての検討を行った。 児童期後期(思春期初期)コホートではコホート全対象者の調査を終了し、180組の11歳双生児の実行機能と社会性に関するパフォーマンスデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
縦断研究として、成人期コホートの質問紙調査をweb形式で、児童期コホートの発達調査をコロナ対策を行いながら対面で、それぞれ実施することができた。ただし脳機能調査と遺伝子検査はコロナのために実施ができず、これまで取得したデータの検討とその理論的検討にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
児童期コホートのデータ収集は本年度で完了したので、そのデータ入力とクリーニングを経て、縦断データとしての分析を行う。成人期コホートについてはweb調査を引き続き実施するとともに、コロナ状況が改善し対面による調査が実施できるようになった機に、脳機能調査と遺伝子検査を実施する。
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Research Products
(6 results)