2019 Fiscal Year Annual Research Report
モチヴィックガロア群と多重ゼータ値から広がる数学ー整数論からの解放ー
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18H01110
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古庄 英和 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (60377976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 浩二 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (30780762)
大野 泰生 東北大学, 理学研究科, 教授 (70330230)
安田 正大 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90346065)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多重ゼータ値 / モチッヴィクガロア群 / ダブルシャッフル関係式 / Teichmuller-Legoの哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
7月にカナダのCRM研究所のプログラム「Expansions, Lie Algebras, and Invariants」に参加し、Enriquez氏と共同研究を続けRacinetが2002年に提出したdouble shuffle群のBetti側に対応する群の正体を明らかにした。1年前に発見した調和余積のBetti対応物を用いてde Rham側と同様な簡明な表示を与えることができた。この結果をpreprintにまとめ発表した。今までの「Double shufle関係式のBetti側の理論」に関する一連の共著論文(3本)をようやく書き終えたことになるが、読み直してみると複雑に入り組んでいた議論のいくつかが簡略化できそうなことに気づいたので、引き続き議論の整備をし改訂を行っていくことにした。 11月には「多重ゼータ値の諸相」の国際集会を数理解析研究所で主催した。多重ゼータ値を研究する研究者を各方面から招聘した。Enriquez氏もこの集会に招聘し共同研究のサーベイ発表してもらった。 研究分担者の田坂氏は楕円モジュラー形式の新形式を二重Eisenstein級数の基底で表示する明示公式を得た。大野氏はArakawa-Kaneko多重ゼータ関数の特殊値に関する和公式を構成した。安田氏はグラフの圏を適当に局所化することによって得られる対称性の観点から複シャッフル空間に関する Goncharovの仕事の再解釈を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共著の改訂に結構時間が取られた。春休みに予定していたフランス出張が新型コロナ感染症の流行のため、叶わず直接対面で討論することができなくて不自由した。
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Strategy for Future Research Activity |
当面コロナ禍のためにオンラインが主になると思うが研究集会・セミナーに参加し、行った共同研究及び新しく得られた研究結果の発表を行う。また今までの研究とは違った方向になるが、近年正標数の整数論の研究者達との交流をするようになってきたのでこの方面の研究にも参画していく。
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Research Products
(21 results)