2020 Fiscal Year Annual Research Report
スピン分解ARPESによるフェルミオロジーに基づいた革新的原子層超伝導体の開発
Project/Area Number |
18H01160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 隆 東北大学, 材料科学高等研究所, 学術研究員 (00142919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 克明 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70547306)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原子層薄膜 / 高温超伝導体 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / グラフェン / トポロジカル絶縁体 / 光電子分光 / arpes |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年は、測定プログラムの作成を含む装置の改良と最終調整を行った。原子層薄膜や関連するバルク試料を高精度で評価するために、レーザー光の集光光学系を改良することで40 um以下の微小スポットを得ることに成功した。原子層超伝導薄膜作製プラットフォームの拡張として、試料ホルダの標準化とポータブル真空搬送装置の作成を行い、東北大で作成した試料を放射光まで移送し、明瞭なARPESスペクトルを観測することに成功した。試料の超伝導ギャップの高精度観測のために、装置の電子レンズパラメーターやスリット調整を行い分解能を向上させ、さらに試料マニピュレーター制御の低温化を行った。測定効率の向上とコロナ禍における無人測定の実現のために、電子状態の自動マッピングの制御および解析システムの実装を行った。 装置の開発と並行して、原子層超伝導体や関連物質の作製と光電子分光実験を行った。単層FeSe超薄膜において超伝導状態における準粒子バンドを高精度で測定し、これが通常のボゴリウボフ準粒子では説明できない分散構造を示すことを見出した。CaF2上に成長したFeSe1-xTex試料において、超伝導を示す組成と非超伝導組成とではバンドを構成するt2g(dxy/dyz/dzx)軌道の混成比が大きく異なることを見出し、ネマシティと高温超伝導の間の強い相関を示唆した。ファンデルワールス強磁性体Cr2Si2Te6上に成長したBi2Se3薄膜において超薄膜領域(2nm)でディラックギャップを観測したが、その大きさはキュリー温度前後で有意な差を示さず、トポロジカル/強磁性体ヘテロ構造において界面接合が物性を大きく左右すると結論した。また、この他にも、Bi薄膜における電子状態の異常な温度変化や、新規ディラック電子系であるCaAuAsやEuIn2As2の表面状態の観測などについて論文を発表した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(38 results)
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[Presentation] BL28におけるトポロジカル物質のμ-ARPESマッピング2021
Author(s)
相馬清吾, 本間飛鳥, 北村未歩, 堀場弘司, 川上竜平, 渡辺夏芽, 中山耕輔, 菅原克明, 高橋隆, 組頭広志, 佐藤宇史
Organizer
2020年度量子ビームサイエンスフェスタ/ 第38回PFシンポジウム
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[Presentation] マイクロARPESによるトポロジカル物質の局所電子状態2021
Author(s)
相馬清吾, 本間飛鳥, 北村未歩, 堀場弘司, 川上竜平, 渡辺夏芽, 中山耕輔, 菅原克明, 高橋隆, 組頭広志, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会 第76回年次大会
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[Presentation] ディラック半金属候補物質BaMg2Bi2の高分解能ARPES2021
Author(s)
高根大地, 久保田雄也, 川上竜平, 加藤剛臣, 坪野竜治, 菅原克明, 中山耕輔, 相馬清吾,出田真一郎, 田中清尚, 北村未歩, 堀場弘司, 組頭広志, 高橋隆, 瀬川耕司, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会第76回年次大会
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[Presentation] Bi2Se3/Cr2Ge2Te6におけるディラックギャップ:高分解能ARPES2021
Author(s)
加藤剛臣, 伊東直洋, 川上竜平, 菅原克明, 相馬清吾, 中山耕輔, 北村未歩, 堀場弘司, 組頭広志, 高橋隆, 塩見雄毅, 齊藤英治, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会第76回年次大会
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[Presentation] 反強磁性ハーフホイスラーGdPtBiの電子状態観測: 高分解能ARPES2020
Author(s)
高根大地, 鈴木健士, 相馬清吾, 山内邦彦, 中山耕輔, 堀健太郎, C. X. Trang, Emile D. L. Rienks, 北村未歩, C. Cacho, T. Kim, 堀場弘司, 組頭広志, 小口多美夫, 高橋 隆, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
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[Presentation] トポロジカル絶縁体/強磁性体ヘテロ構造のディラック電子状態::高分解能 ARPES2020
Author(s)
加藤剛臣, 伊東直洋, 川上竜平, 久保田雄也, 田口大樹, 坪野竜治, 菅原克明, 相馬清吾, 中山耕輔, 高橋隆, 塩見雄毅, 齊藤英治, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
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[Presentation] 1T-XSe2(X=Na, Ta)原子層のモット絶縁相制御:高分解能ARPES2020
Author(s)
中田優樹, 菅原克明, C. Bao, S. Zhou, P. Y. Chuang, C.-M Cheng, 高橋隆, A. Chainani, S. Y. Zhou, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
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[Presentation] High-Resolution ARPES Study on the Origin of High-Temperature Superconductivity in FeSe1-xTex/CaF22020
Author(s)
K. Nakayama, R. Tsubono, G. N. Phan, F. Nabeshima, N. Shikama, T. Ishikawa, Y. Sakishita, S. Ideta, K. Tanaka, A. Maeda, T. Takahashi, and T. Sato
Organizer
The 4th Symposium for The Core Research Cluster for Materials Science
Int'l Joint Research
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