2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spectroscopy of eta'-mesic nuclei as an approach to study of QCD vacuum
Project/Area Number |
18H01242
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
板橋 健太 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30322093)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | η′中間子原子核 / 中間子 / カイラル対称性 / U(1)対称性 / プラスティックシンチレータ / 波形デジタイザ |
Outline of Annual Research Achievements |
プラスティックシンチレータバレル(PSB)検出器について、レート耐性、時間分解能、パイルアップ(重畳)事象の判別、ノイズ耐性、温度依存性等様々な見地から検討を行った。性能評価はソース、宇宙線によるテストを経て、ユーリッヒ研究所でのビームテスト実験によって行い、光検出器が MPPC の場合と PMT の場合の比較検討を行い、MPPC が優位である事がわかった。 MPPC の読み出し系については、従来型のQDC/TDC でデータを取得する場合と、波形デジタイザによる取得を比較した。従来型の場合データの容量が小さく、データ収集系や解析に係る付加が小さくて済むという利点があるが、パイルアップ事象やベースラインのドリフトに対応するのが容易でない。波形デジタイザを使用した場合には、データ取得量が大幅に増加するという問題点があるが、検討の結果、時間分解能を確保しながらパイルアップ事象を抑制するために、波形デジタイザの採用を決定した。 波形デジタイザとしては、既存のデータ取得装置との整合性から、CAEN 社 V1742 型VMEモジュールを選定した。 テストデータを取得した上で、ハードウエアのCFDディスクリミネータと同等の機構を持つ解析プログラムを作成して評価したところ、2.5 GHz での波形取得により必要とされる 100 ps より良い時間分解能を達成することが分かった。パイルアップと同様にベースラインのシフトに対しても解析時に対応できる利点があり、高いレートの場合に発生するパイルアップ事象も波形から容易に判別できることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラスティックシンチーレータバレル検出器の開発はMPPCでの読み出しの目処もつき概ね当初の計画の通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
プラスティックシンチレータバレル検出器の実機製作のための開発を行い、実機を構築・設置する。
|