2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Insertion/Deletion by Mathematical Method of Root Systems
Project/Area Number |
18H01435
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
萩原 学 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80415728)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲田 研登 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (70532555)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ワイル群 / 削除符号 / 誤り訂正符号 / リー理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) Joint Mathematics Meeting 2020のSpecial Session on Interactions between Combinatorics, Representation Theory, and Coding Theoryをオーガナイズ。2)海外の研究協力者2名を招へいしセミナーを開催。Miami大学のKhodakhast Bibak氏、南洋理工大のVan Khu Vu氏の招へい。3)海外にて研究成果の共有を行った。上海大学の中原幹夫氏、Hawaii大学のJ.B.Nation氏。4)削除符号勉強会を開催。2日間で12編の論文を通読。国内の研究者11名が参加。5)研究集会「論文実験計画法とその周辺」を開催。30名強が参加。6)BAD符号に関する研究成果を論文誌Des, Codes, Crypto.に掲載。7)量子削除符号に関する研究成果を論文誌IEICE Comm. Exp.に掲載。8)無限d完全順序集合の構造を明らかにし, 巡回ヤング図形のフック公式を証明。国際会議JMM2020で講演. DMTCSに近々掲載される.9)沼田泰英氏, 岡村修志氏とともに, ある種のd完全順序集合のフック公式について, ヤング図形の場合に知られていた全単射証明が適用できることを証明. 10)星野歩氏とアフィン古典型量子展開環の結晶基底の多面体表示をd完全順序集合の一般化を用いて記述. J. Math. Phys.に掲載.11)ある種のd完全順序集合から作られる組み合わせゲームについて, その必勝戦略を計算する関数を求めた. 国内研究集会にて講演。5) あるLevenshtein符号が, ある偶奇性条件を満たす2bit削除について完全であることを示し, 偶奇性条件の族を構成した. JMM2020にて講演。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究によって、昨年度の知見を掘り下げることに成功したと言える。 ここまでの研究で, 本研究計画は古典的な場合,つまり, ABD型のWeyl群に属す特にミヌスクル元と符号の関係についての研究が概ね完成したと言え,背後の数理がかなり明確になってきた.特に偶奇性条件のある2bit削除について,A型は萩原氏の削除, D型は萩原桜井仲田の削除, B型は仲田の削除によってミヌスクル元との関係が鮮明になった.したがって, 非古典型Weyl群に属すミヌスクル元の場合の研究が完成すれば, 本研究計画は達成できたことになる.これらの研究は, 関連して様々な周辺分野の研究への刺激にもなった.特に, 組み合わせゲームについての研究は非古典型Weyl群の場合への大きな足掛かりになった.このゲームと符号の関係を深く考察することで,本研究計画の中心である完全削除符号の数理を解き明かすことができるはずである.また, それだけでなく, 周辺領域を巻き込んだ計画以上の研究になることが見込まれる.
|
Strategy for Future Research Activity |
掘り下げる研究に成功してきたことから、今後は幅を広げる研究を行う。 具体的には、Lie環の型を変える、d-完全半順序集合のタイプを変える。それらの型・タイプから新たな挿入や削除が得られた際には、今年度までに得た各種の性質と同様のものが成り立つか研究していく。例として、完全性、濃度の漸近的最適性、符号化アルゴリズム・復号アルゴリズムの構成、ゲーム理論への応用、表現論との繋がりといったテーマがある。
|