2018 Fiscal Year Annual Research Report
Follow-up study for elucidation of damage mechanism which occurred in the Aso caldera zone and evaluation of residual seismic risk
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18H01519
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
池田 隆明 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (40443650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 由記子 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (70780203)
清田 隆 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70431814)
鈴木 素之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00304494)
梶田 幸秀 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10403940)
大本 照憲 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30150494)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 2016年熊本地震 / 火山灰質地盤 / 阿蘇カルデラ / 地震動 / 災害履歴 |
Outline of Annual Research Achievements |
熊本地震を含め、熊本地震の震源近傍で生じた過去の地震を整理し、地震動記録を週取水、地震動の周波数特性や位相特性、地盤地震動増幅特性等を地域ごとに整理した。また、硬質地盤および地中の地震動記録を解析し、地震動には特徴的な上下動成分はみられず、自動車の転倒は地盤の影響が大きい可能性があることを指摘した。 阿蘇カルデラ内の火砕流堆積地盤から採取した土質試料に対して、室内土質試験を行い、物理的特徴を明らかにするとともに、火砕流堆積地盤に含まれる軽石に対する強度特性評価実験を実施した。 地盤流動による橋梁被害メカニズムの解明については、カルデラ内に位置する大正橋に対して2次元有効応力解析モデルを構築し、地震動のみを考慮した地震応答解析では橋梁はほぼ損傷しないことを確認した。 2016年熊本地震の発生に伴い、熊本県を流れる一級河川の白川では約100万m3の土砂が供給され、下流域では50cmの河床上昇、更に3基の斜め堰は、堰上流の河床上昇および下流河岸に沿った局所洗掘が顕著であった.そこで、斜め堰の治水、環境上の課題を改善するための一方策として開口部を有する斜め固定堰が、静的平衡河床における流れ、河床変動に与える影響について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年7月、研究協力者が所属する企業が平成30年7月に発生した西日本豪雨災害の復旧・ 復興業務にたずさわることになり、翌月に予定されていた現地調査への協力が不可能となったため、平成31年度以降に現地調査を繰り延た。
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Strategy for Future Research Activity |
阿蘇カルデラ内の地盤調査および既往の地盤データの収集を継続的に実施する。また、航空写真等を用いて被害箇所の3Dモデル化を行い、地震前後の地形変化を評価する。 火砕流堆積地盤の地盤特性評価を室内試験から実施する。 橋梁被害については、大正橋を対象として地盤変状を考慮した地震応答解析を実施する。新たに、車帰橋を解析対象に加え地盤-構造物のモデル化を行い、橋台の水平移動によるゴム支承に残留変位が発生するのかなどに関する実被害の再現解析を行う。 河川横断構造物については、将来の地震対策を目的に構造物を撤去することなく部分改修に止め、堰に開口部を設けることにより洪水時には水位低下と併せて堰上流に堆積した河床材料を下流に流送させることで堰の上・下流における土砂バランスの改善に繋がる設計法を検討する。
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