2019 Fiscal Year Annual Research Report
浮遊粒子表面の高電界化現象を利用した船舶排ガス中ブラックカーボンの酸化処理
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18H01647
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
瑞慶覧 章朝 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (00601072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 由泰 東京都市大学, 理工学部, 教授 (40308028)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 船舶排ガス / ブラックカーボン / 電気集塵 / 静電気 / 放電プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、ディーゼル排ガス微粒子の除去を想定し、カーボンブラック(CB)を用いて集塵性能を検討した。 実験装置はファン、ダクト、コンプレッサ、ESP、パーティクルカウンタ、高電圧発生装置で構成し、ダクトの断面寸法は51㎜×25㎜である。ESPは同一サイズの接地平板電極と高電圧用平板電極の2枚で構成された平行平板構造とした。なお、電極長は150 ㎜、電極間隔は5 ㎜とし、平板電極の端部に半径5 ㎜の丸みを設けることで最大12.5 kVの負極性直流高電圧を印加可能とした。すなわち25 kV/cmの高電界が加えられるようになっている。試験粉体として、ディーゼル排ガス微粒子を模擬してCBを使用した。コンプレッサを用いてボトルに入れたCBを撹拌するとともにダクト内に送り、大気と混合した。さらに、ファンによって電極間の風速を1又は2 m/sに調整しESPでCBを集塵した。上流及び下流のダクトから流通ガスの一部を吸引し、パーティクルカウンタを用いて0.3ミクロン以上の粒子濃度を測定し、集塵率を計算した。 各風速における集塵率と印加電圧の関係では、いずれの風速においても電圧が高いほど集塵率は向上した。また、風速2 m/sよりも1 m/sのときの方が集塵率は高く、電圧12.5 kVで63%が得られた。これは、風速が遅いほど電極間における粒子の滞在時間が長いためである。いずれの条件においても電極間に流れる電流は、検出限界の0.01 uA以下であり、単位流量当たりの消費電力は、1 m/sのとき0.49 W/(m3/s)以下であった。若干条件は異なるが、従来の2段式ESPで同等の集塵率を得るには、約10 W/(m3/s)の電力が必要であることが分かっている。すなわち従来の1 /20以下の電力であり、高電界型ESPがCBの集塵に対しても有効であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は基礎実験装置を設計製作し,粒子の帯電過程を検討した。2年目はカーボンブラックを高いエネルギー効率で補修できることを明らかにした。最終年度は,得られた結果をもとに小型ディーゼル発電機に搭載する実排ガス用実験装置を設計製作し,BCとSOFの除去特性を明らかにする予定である。よって、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度は,小型ディーゼル発電機を稼働し,実排ガスを用いて検討を行う。前年度までの研究成果をもとに,実排ガス用新型ESPの構造と寸法設計を行い,実験システムを再構築する.エンジン負荷及び排ガス温度を主なパラメータとして,BCの濃度と印加電圧の関係を検討し,再構築したシステムを評価する。試験結果から,実用化のためのスケールアップの検討を行い,船舶用排ガス浄化装置のトータルシステムを設計する.
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Research Products
(8 results)