2018 Fiscal Year Annual Research Report
Process intensification utilizing data science techniques: modeling reactive chromatography
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18H01776
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川尻 喜章 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20811087)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プロセスモデリング / プロセス強化 / クロマトグラフィー / データサイエンス / ベイズ推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学工学におけるプロセス開発とプロセス強化を目的としたデータサイエンス手法の開発のための、有望な研究結果が得られた。(1)実験データ取得と実験実証を目的とし、実験室に高速液体クロマトグラフィー分離試験装置を導入し設置した。この装置を使って実験データを取得した。このクロマトグラフィー分離試験は、イオン交換樹脂を使った水溶液中の糖の分離、およびC18カラムと有機溶媒を使った有機化合物の分離実験の2つを行い、これら2種類のデータ両方を使って上記の手法が有効であることを確かめた。(2)非線形偏微分方程式で表されるプロセスモデルを構築し、上記の実験データとの整合性を確かめた。そしてこの実験データとモデルに対し、ベイズ推定手法、および非線形モデルを使った回帰によりモデルパラメータが推定できることを確かめた。具体的には、マルコフ連鎖モンテカルロ法、および正則化による回帰の2つの手法を、上記のプロセスモデルに適用し、得られたパラメータの精度と計算時間の比較を行い、それぞれの手法の利点と欠点について整理した。更には、得られたモデルパラメータの不確実性も定量化できることを確かめ、これがプロセス開発におけるロバスト性を高める手法につながることを示した。この計算には、最大で数日間に渡る非常に長い計算時間が必要であることがわかり、この計算時間を削減する手法である逐次モンテカルロ法の開発が必要であることも確認し、今後の研究課題とした。(3)階層ベイズ推定手法を使い、異なる研究者が報告する研究データからモデルパラメータを推定する手法を開発した。そしてこれを吸着等温式パラメータ推定に応用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クロマトグラフィー分離試験を行うことに成功し、データ取得を行うことができた。これをもとに、ベイズ推定を応用したモデルパラメータ推定が出来ることを確認した。また、擬似移動層クロマトグラフィー分離試験装置を研究室内に設置し、試運転に成功した。この装置により、今後のデータ取得と、開発した手法の更なる実証実験を行うことが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した手法が擬似移動層クロマトグラフィー分離プロセスに適用できることを、実験室に構築した小型装置を使って実証を行う。また、計算時間を削減するために逐次モンテカルロ法を化学プロセスモデリングに応用した手法を開発する。
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