2020 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study of one-dimensional electron systems with strong spin-orbit interaction and the superconducting junction
Project/Area Number |
18H01813
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松尾 貞茂 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90743980)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 朝永ラッティンジャー液体 / スピン軌道相互作用 / スケーリング / 超伝導接合 / マヨラナ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はマヨラナ粒子の研究に関して、昨年度まで得られていた単一ナノ細線ジョセフソン接合の磁場による超伝導電流の増強効果のより詳細な実験を行った。その結果、増強が起きる特徴的な磁場がナノ細線の電子密度に依存しないことがわかった。さらに、磁場の掃引方向に対してヒステリシスが観測されることが明らかになった。これらのことから、観測された磁場による超伝導電流の増強現象は磁場により誘起された磁束渦の中心で準粒子がトラップされることにより電子温度が実効的に低くなるために起きる現象であることを解明した。この磁場による超伝導電流の増強はマヨラナ粒子の証拠とされてきたが、我々の研究結果はトリビアルな起源であることを支持している。また、二重ナノ細線を用いたマヨラナ粒子の実現に必要な非局所超伝導相関の物理をより解明するために選択的領域成長型(SAG)のInAsナノ細線を用いた研究を行った。SAG二重ナノ細線上に一つの超伝導電極を共有する二つのジョセフソン接合を各ナノ細線上に形成した。接合間は超伝導金属でのみ接続されているが、接合のアンドレーエフ束縛状態が超伝導電極に染み出して結合することで、二つのジョセフソン接合がコヒーレントに結合する。この結合に起因して、非局所ジョセフソン効果が期待される。この効果の観測のため、二つの接合の片側は超伝導ループに埋め込まれた構造とし、磁場で位相差を制御可能なようにした。極低温での観測の結果、ループの外にある接合のスイッチング電流が磁場に対して振動する様子が得られた。これは非局所ジョセフソン効果が観測されたことを意味する。またGe量子井戸に関して、量子細線への加工技術の開発を行った。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Universal behavior of low-dimensional systems on Si and Ge quantum well2020
Author(s)
Y. Sato, X. Liu, K. Takeda, A. Noiri, T. Nakajima, K. Ueda, S. Matsuo, A. Sammak, M. Veldhorst, G. Scappucci, and S. Tarucha
Organizer
The 25th symposium on the Physics and Applications of Spin-related Phenomena in Semiconductors (PASPS-25)
-