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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Fundamental study on interfacial characteristics and quantization mechanism of nanobubbles

Research Project

Project/Area Number 18H01874
Research InstitutionTohoku Fukushi University

Principal Investigator

庭野 道夫  東北福祉大学, 感性福祉研究所, 教授 (20134075)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 馬 騰  東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (10734543)
岩田 一樹  東北福祉大学, 総合マネジメント学部, 講師 (20515457)
但木 大介  東北大学, 電気通信研究所, 助教 (30794226)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsナノバブル / 気液界面物性 / 粒径量子化 / ナノ反応場 / ナノ細孔薄膜
Outline of Annual Research Achievements

ナノバブル(NB)は超微小サイズの気泡で、通常の気泡にはない特異な性質を有することから洗浄や生物育成などへの応用が進められている。しかし、その基礎的特性の詳細は未解明である。我々はNBの発生に、陽極酸化法で形成した100 nm径の均一な細孔を有する多孔質アルミナ細孔薄膜に常圧程度で加圧する手法(ナノ細孔加圧法)を用いた。この手法で生成されるNBのサイズは100 nm程度であり、内包するガスも任意に選択できる。本研究は、この手法を用いて、様々なガス種を内包したNBの気液界面構造や基本的特性、特異なナノ空間気液・固液界面反応、更には固体表面との相互作用を系統的に調べることを目的としている。今年度は、生成したNBの粒径分布を、ナノ粒子トラッキング解析法を用いて調べた。
内包ガスが二酸化炭素、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウムのそれぞれについて、NanoSightナノ粒子解析システムを用いてNBの粒径分布を詳細に計測した。その結果、ガス内包NB粒径が離散的であることが確かめられた。離散的な粒径の分布は内包ガス種に関係なく観測され、さらに、分布のピーク値に一定の規則があることが判明した。この規則性を詳細に解析した結果、バブルの融合が同じバブル径同士で選択的に起こることが分かった。これらの結果はこれまでに報告されていない画期的な成果である。また、内包ガスの種類により最小粒径が異なること、また、時間の経過とともに粒径が次第に大きくなることも観測された。離散的な粒径分布の原因(気泡の合一のメカニズム)や粒径の時間変化の詳細について今後検討していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定では、本年度において、主にナノバブル形成機構の解明を目標としていた。具体的には、アルミナ細孔から発生するナノバブルの粒径、密度や粒径の時間変化を、ナノ粒子解析システム(ブラウン運動軌跡追跡法)により解析し、ナノバブルの安定性や粒径を決める要因を解明することまた、バブル粒径は細孔径で決まるか、液中に放出後の融合・収縮などで決まるかを明らかにすることを目標とした。その結果、バブル粒径は細孔径と、放出後のバブルの融合(合一)で決まると示唆される結果が得られた。特に、バブルの融合が同じバブル径同士で選択的に起こることが分かった。この結果はこれまでに報告されていない画期的な成果と言える。なぜこのような選択性があるかは今後の研究課題であるが、この選択的融合が、バブルの安定性を説明できると考えている。すなわち、小さなバブルが融合すると大きなバブルが形成され、その大きなバブルは元の小さなバブルと融合しないために小さなバブルが融合せずに取り残されて長時間残存すると考えられる。この結果はバブルの安定性を説明する新しい解釈であり、現在論文執筆中である。
本年度予定していた研究項目の第二は、ナノバブル間相互作用(気液界面反応)の解明である。この相互作用解明のために、同種ガス内包バブルばかりでなく、異種ガス内包バブルも形成する必要がある。研究対象とするガス種はH2、He、CH4、O2、N2、CO2およびArとしたが、本年度はメタンと水素以外のガスを内包したバブルの形成を試みた。バブルの形成は確かめられ、酸素ガス内包と二酸化炭素ガス内包のバブルを混合した結果、全体的にバブルの径が大きくなる以外、単独ガス内包バブルの場合と顕著な違いはなかった。当初予定していた水素ガス内包バブルと酸素ガス内包バブルの相互作用の解明は次年度の課題であり、現在、実験の準備を進めている。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究としては、当面、バブルの融合が同じバブル径同士で選択的に起こることを説明できるメカニズムの理論的解明に取り組む。バブルはゴム風船のような弾力性があると思われるため、大きさの異なるバブルが接近した時の反発力を求めることから計算をはじめ、その結果からなぜ同じ径同士のバブルが融合し易くなるかを明らかにする予定である。この融合の選択性はナノバブル間相互作用(気液界面反応)の解明にも大いに関連すると考えられ、今後、異種ガス内包バブルの融合反応の系統的な解明に注力する。
さらに、ナノバブル・表面相互作用(固液界面反応)の解明とナノバブル核スピン相互作用(界面スピン物性)の解明にも取り組む。後者は、現有のMRI装置を用いて、水分子の水素の核スピンと水溶液中のナノバブルに内包したガス分子の核スピンの間の相互作用を緩和時間の測定から明らかにする。対象とする内包するガスはH2、He、O2、N2とする。予備的実験においてN2内包ナノバブルでT1緩和時間の変化が観測されたているため、特に窒素ガス内包ナノバブルを中心に緩和時間測定を行う。現在、この実験を準備を進めており、次年度中ごろまでには実験結果が得られると考えている。

Research Products

(2 results)

All 2018

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 規則ナノ細孔を有する多孔質アルミナ薄膜を用いたナノバブル発生2018

    • Author(s)
      庭野道夫,馬 騰,但木 大介,平野 愛弓
    • Organizer
      日本表面真空学会学術講演会
  • [Presentation] 規則ナノ細孔を有する多孔質アルミナ薄膜を用いたナノバブル発生2018

    • Author(s)
      庭野道夫,馬 騰,但木 大介,平野 愛弓
    • Organizer
      第66回応物学会春季学術講演会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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