2020 Fiscal Year Annual Research Report
肉眼で負屈折現象が確認できるバルク光メタマテリアルの開発
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18H01902
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡本 敏弘 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (60274263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 雅宣 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (20198906)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光メタマテリアル / 負屈折現象 / バルク / スプリットリング共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)微小球リソグラフィ法を用いた多分割リング共振器の作製:メタマテリアルに磁性を与えるメタ原子である金属スプリットリング共振器は、分割数を増やすことでリング直径が同じでも磁気共鳴波長を短くできることが知られている。我々は、3分割スプリットリング共振器が2分割に比べてより短波長で磁気共鳴を示すことを確認し、可視波長域で動作するバルクメタマテリアル実現を目指す本課題には有利な構造であると考えた。そこで、本課題で採用している作製法の微小球リソグラフィ法で多分割リング共振器が作製可能であるかどうか検討し、限定的であるが3分割の銀スプリットリング共振器作製に成功した。面内回転角と斜め蒸着角により、基板上に金属が厚く堆積した部分が残って多分割リング構造を形成することを明らかにし、2分割よりも3分割リングの方が作製の成功率が高いことを確認した。ただし、作製された構造の多くは欠陥やギャップサイズのばらつきが大きく、バルクメタマテリアル用のメタ原子として用いるためには、再現性を高めるための作製精度の向上が必要である。 (2)2次元光メタマテリアル薄膜の作製:メタアトムを包埋し2次元光メタマテリアル薄膜とするために用いる樹脂は、透明で屈折率が低く、十分な機械的強度と化学的安定性を持ち、その溶媒が、犠牲層に用いるポリヒロドキシスチレンを浸食しないことが必要である。この条件を満たす樹脂と溶媒について様々な材料を比較検討し、最終的にフッ素系樹脂が適していると結論づけた。 (3)2次元光メタマテリアル薄膜の量産:メタアトム作製手法の改善作業に時間がかかり、予定していた2次元メタマテリアル薄膜の量産には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタ原子作製手法の改善作業に時間がかかり、2次元光メタマテリアル薄膜の量産に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
多分割リング共振器の作製再現性が低く、それを用いたバルクメタマテリアルを研究期間内に実現するのは不可能と判断し、目標を1分割リング共振器を用いたバルクメタマテリアルの実現に変更する。それに伴い、動作波長は近赤外波長域とする。 速やかに2次元光メタマテリアルの量産体制に移行し、積層工程を経てバルクメタマテリアルを作製する。近赤外カメラを用いて、作製したバルクメタマテリアルの特異光学現象についてデモンストレーションを行う。
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Research Products
(5 results)