2018 Fiscal Year Annual Research Report
Laser Heating for Three-Dimensional Material Synthesis
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18H01948
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 健二 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (10754400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雲林院 宏 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (40519352)
猪瀬 朋子 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (10772296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 集積型金属錯体 / 銀ナノワイヤ / プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レーザーの照射によって望みの場所でナノ材料を合成する方法の開発を目的としている。初年度は、レーザー照射を利用したプラズモン加熱によって、集積型金属錯体をピンポイントに合成する方法の開発に成功した。 まず初めに、ポリオール法によって銀ナノワイヤ(AgNW)を合成し、加熱反応の土台を作製した。得られたAgNWを塩化金酸溶液に浸漬し、AgNWに可視光レーザーを照射すると、金の光還元が誘起され、AgNW上に金ナノ構造体(AuNS)が生成した。この方法では、レーザーの照射位置を変えることで、数十ナノメートルの金ナノ構造体をAgNW上の望みの位置に作製できる。また、照射時間によってAuNSの大きさの制御も可能となった。 生成したAuNSに、水中で可視光レーザーを照射すると、気泡が発生する様子が観察された。これは、プラズモン光熱効果によって、AuNS近傍で熱が発生し、水の沸点まで温度が上昇したことを示唆している。AuNSを作製する場所によって、加熱反応の範囲や位置を変えることが可能となった。 AuNSを作製したAgNWを、金属イオンと有機配位子を含有する溶液に浸漬し、レーザーを照射すると、AuNS近傍でナノサイズの粒子が生成した。走査型電子顕微鏡による観察とエネルギー分散型X線分析によって、目的とした集積型金属錯体が合成されたことを確認した。加熱せずには生成しない集積型金属錯体が合成されたため、レーザー照射を伴う加熱反応によって、局所的に集積型金属錯体が合成されたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、レーザー照射による機能性材料の局所合成に成功した。AgNW上の狙った場所にAuNSを作製し、このAuNSを利用することで、加熱合成を行うことが可能となった。今後、加熱反応場の走査へと展開していく。
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Strategy for Future Research Activity |
AgNWは走査プローブ顕微鏡の探針としても利用できるため、AuNSを作製したAgNWを操作することで加熱反応場の自在制御が可能になると考えられる。今後は反応場の操作性と加熱反応の詳細な解析を進めていく。
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Research Products
(4 results)