2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of ion dynamics in organelles by using targetable probes
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18H02102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水上 進 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30420433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Mg2+ / Zn2+ / 定量的イメージング / オルガネラ内 |
Outline of Annual Research Achievements |
Mg2+やZn2+はその生理的重要性にもかかわらず、その細胞内ダイナミクスはほとんど解明されていない。とりわけ、オルガネラ内金属イオンのダイナミクスを調べるには更なるプローブ改良が必須である。本研究では、化学的手法に基づいたオルガネラ内イオンのダイナミクスの解析技術を開発する。具体的には、標的イオンに選択的な蛍光センサーを開発し、これらに細胞局所へのターゲティング能を付与するアプローチを取った。研究代表者らはこれまでに「蛍光Mg2+プローブのオルガネラへの局在化技術開発」と「細胞内Ca2+の濃度変動に全く影響を受けない高選択的な蛍光Mg2+プローブ開発」の二つの研究を開発してきた。本課題では、2018年度においてこれらの二つの技術を融合・発展させ、細胞内局所における遊離Mg2+を選択的に可視化・定量可能な技術の開発に取り組んだ。その結果、細胞分裂の際に核内の遊離Mg2+濃度の変動が起こることを蛍光イメージングにより確認した。また、この研究と平行してオルガネラ内の遊離Zn2+の定量的イメージングを行い、複数のオルガネラにおいて既報よりもはるかに高濃度の遊離Zn2+が存在する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Mg2+に対して選択的な局在型蛍光プローブの開発を達成した。この分子を用いて細胞内Mg2+の長時間イメージング(24時間以上)を達成し、細胞分裂における核内Mg2+濃度変化を調べた。細胞分裂に伴って核内Mg2+の変動が観察されており、現在詳細な機構を解析中である。また、並行してZn2+に選択的な局在型蛍光プローブの開発にも成功し、ゴルジ体および小胞体内の遊離Zn2+濃度の定量にも成功している。この結果は蛋白質型蛍光プローブで報告されている値と大きく異なるなど興味深い結果となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
Mg2+の可視化に関しては、引き続き複数のオルガネラにおける経時的かつ定量的なイメージングを行う。とりわけミトコンドリアに着目して研究を行う予定である。Zn2+については最初に開発したプローブ分子は解離定数が比較的大きく、Zn2+濃度が濃いオルガネラでしか濃度定量ができなかった。そこで、より小さな解離定数を示す蛍光プローブを複数開発することで、現在のプローブでは検出濃度範囲以下であったオルガネラ内の遊離Zn2+濃度を定量する。Zn2+に対する異なった解離定数を示す一連の蛍光プローブを用いることで、細胞内の様々なオルガネラに存在するZn2+の濃度マップを作成する。。
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Research Products
(23 results)