2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of ion dynamics in organelles by using targetable probes
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18H02102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水上 進 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30420433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Mg2+ / 蛍光プローブ / Zn2+ / オルガネラ / 蛋白質ラベル化技術 / 定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内のMg2+やZn2+はその生理的重要性にもかかわらず、Ca2+と比較すると細胞内局所におけるダイナミクスはほとんど調べられてこなかった。そこで本研究では、化学プローブの長所を蛋白質プローブの長所と融合させるケミカルバイオロジー的手法に基づいたアプローチにより、オルガネラ内などの細胞内局所の金属イオン(Mg2+およびZn2+)のダイナミクスの解明を目的として、その基盤技術開発ならびに応用研究に取り組んだ。前年度までに、「蛍光Mg2+プローブのオルガネラへの局在化技術開発」と「細胞内Ca2+の濃度変動に全く影響を受けない高選択的な蛍光Mg2+プローブ開発」の二つの研究を融合・発展させ、オルガネラ内のMg2+を選択的に可視化・定量可能なMg2+プローブMGQ-2Hを開発した。このプローブは細胞質に24時間以上保持され、また核や小胞体などのオルガネラや細胞膜などに標的化可能であった。本年度は引き続き、このプローブを用いて細胞の有糸分裂過程における核内Mg2+濃度変動を可視化し、その詳細な解析を行った。イメージングに用いるレコーディングメディウムの条件最適化、さらには複数チャネルから得られた蛍光強度の画像演算条件の再検討を行い、細胞分裂の各フェーズにおける核内Mg2+濃度の増減を詳細に明らかにした。また、Zn2+検出プローブの開発も並行して行い、様々な解離定数を持つ蛍光プローブの開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Mg2+イメージング研究とZn2+のプローブ開発を同時に推進した。Mg2+イメージングについては実験条件を再検討し、信頼性のあるデータが得られている。また、Zn2+イメージングプローブの開発は複数の化合物合成が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
Mg2+イメージングに関しては速やかに論文発表を行う。Zn2+についても生細胞イメージングの実験を行い、速やかに論文発表する。
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Research Products
(10 results)