2020 Fiscal Year Annual Research Report
Trans-omic study for diversity and evolution of venomic proteins of Protobothrops flavoviridis.
Project/Area Number |
18H02498
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 弘紀 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80315093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智久 東北大学, 農学研究科, 教授 (80240901)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 遺伝的多様性 / ハブ / 毒液タンパク質 / 加速進化 / 系統地理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、日本産ハブ属3種の毒液タンパク質遺伝子の塩基配列多様性の大規模検出(計画1)と毒液タンパク質のオミクス解析(計画2)を行い、ハブの毒液タンパク質の多様性とその進化過程の解明を解明することを目的としている。 計画1(ハブ属3種の毒液タンパク質遺伝子の配列多様性の大規模検出)については、毒液遺伝子セットを対象とした塩基配列変異検出を進めた。毒液タンパク質遺伝子には多数のパラログが存在するが、各オルソログは集団間での多様性が低く、個々のオルソログには進化的制約が強くかかっていることがわかってきた。一方で、一部の島集団のあいだで毒液遺伝子のコピー数やクラスター構成が異なっていることが示され、これがアンプリコンシークエンスのためのPCR条件の最適化を困難にしている原因と考えられたため、通常のPCRによるダイレクトシークエンスに切り替えて、塩基配列情報取得を進めた。 計画2と毒液タンパク質のオミクス解析(計画2)については、伊平屋島、渡嘉敷島、久米島での検体収集を予定していたが、新型肺炎の流行などで研究協力者の都合がつかず、行うことができなかったため、次年度への繰越とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力者(寺田考記)の所属機関(沖縄衛生環境研)が、新型コロナ感染症の対応にかかりきりとなったため、今年も当初予定していた現地調査と採集が遂行できなかったため、計画2のためのサンプル収集が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1. [検体整備]:高田爬虫類研究所の大谷勉氏を新たな研究協力者として、本年度に収集ができなかった2島を含む、伊平屋島、渡嘉敷島、久米島での採集を行い、検体収集を完了する。 2. [毒液タンパク質遺伝子セットの解析]:アンプリコンシークエンスおよびPCRによるダイレクトシークエンスにより、データ取得を進める。 3. [毒腺のトランスクリプトーム解析]:取得済みの毒腺からのRNA抽出とRNAシークエンスを進める。 4. [毒液のプロテオーム解析]:研究分担者の小川智久(東北大学)の協力のもと、取得済みの毒液からのフォーカスドプロテオーム解析を進める。
|
Research Products
(2 results)
-
-
[Book] 毒ヘビ全書2020
Author(s)
田原 義太慶、柴田 弘紀、友永 達也
Total Pages
336
Publisher
グラフィック社
ISBN
978-4766133134