2018 Fiscal Year Annual Research Report
Activity-dependent mechanisms regulating synapse elimination
Project/Area Number |
18H02539
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上阪 直史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (70597624)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シナプス刈り込み / カルシウム / 小脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、シナプス刈り込みに関わることが示されている神経活動依存性分子のP/Q型電位依存性カルシウムチャネルの下流で働く逆行性分子(膜分子と分泌分子)をスクリーニングした。まずシナプス刈り込み時においてプルキンエ細胞で発現する遺伝子群とP/Q型電位依存性カルシウムチャネルのノックアウトマウスの小脳において発現が変動する遺伝子群のデータから、発現量とノックアウトでの発現変動度から候補遺伝子の選定を行った。これらの候補遺伝子をノックダウンし、電気生理学の方法によりシナプス刈り込み異常を検出することでスクリーニングを行った。各候補遺伝子に対するレンチウィルスノックダウンベクターを作成するために、各遺伝子に対するmicroRNAを設計し、レンチウィルスに挿入した。さらにレンチウィルスには導入された細胞が同定できるようにEGFP配列を挿入した。microRNAとEGFPのプロモーターはプルキンエ細胞で特異的に発現するために改良型L7プロモーターを用いた。生後1-2日目のマウスにおいて、レンチウィルスを用いた遺伝子導入法により候補遺伝子それぞれをノックダウンし、生後20-30日目において小脳の急性スライスを作成しシナプス刈り込みを電気生理学の方法により解析した。EGFP陽性のノックダウン細胞とEGFP陰性のコントロール細胞でシナプス刈り込みを比較した結果、ノックダウンした細胞でシナプス刈り込みの異常が認められた遺伝子を2つ見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に神経活動依存性分子のP/Q型電位依存性カルシウムチャネルの下流で働く逆行性分子を精査し、候補遺伝子の絞り込みを行った。これらの候補遺伝子がシナプス刈り込みに影響するか解析した結果、シナプス刈り込みに影響する可能性のある遺伝子を見出した。本研究の種となる結果が得られたこと、これらの遺伝子がシナプス刈り込みに果たす役割を詳細に調べることで来年度への発展を期待できる結果であることから、順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に引き続き、シナプス刈り込みに関わることが示されている神経活動依存性分子のP/Q型電位依存性カルシウムチャネルの下流で働く逆行性分子をスクリーニングする。平成30年度にシナプス刈り込み異常が見出された遺伝子に関して、シナプス刈り込みのどのステージで異常が見られるか解析する。またノックダウンマウスで異常が見出された遺伝子に関して、ノックアウトマウスを購入あるいは作成することを検討する。さらに、P/Q型カルシウムチャネルのノックアウトマウスの小脳で当該分子のノックダウンを行い、ノックダウン細胞と非ノックダウン細胞でシナプス刈り込みの程度が同等か加算的かを調べ、P/Q型カルシウムチャネルと当該分子が同じシグナル経路にあるかを明らかにする。P/Q型カルシウムチャネルのノックアウトマウスの小脳で当該分子の免疫組織染色を行い、発現が低下するかを明らかにする。これに加えて、登上線維で発現し、勝者の登上線維がプルキンエ細胞の樹状突起へ移行する過程を制御する分子をスクリーニングする。
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Research Products
(10 results)