2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathogenicity in Candida glabrata by PATHOME analysis
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18H02653
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
知花 博治 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (30333488)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 真菌 / 病原性 / Candida / ハイスループット / 次世代シークエンサー / 腸管定着 |
Outline of Annual Research Achievements |
カンジダ感染症による年間死亡者数は世界で40万人、国内では千~五千人と推定されている。カンジダ感染症は、米国NIHが警戒する主要疾患であるが、日本国内では、その重要性は認識されていない。カンジダ症原因菌の中でカンジダ・グラブラータは、耐性株の出現率や死亡率の高さのために、近年大きな問題となっているが、その病原性の解析は進んでいない。そこで申請者らは、病原真菌で初となる5,200全遺伝子を100%をカバーする組換え体コレクションを完成させた。本研究計画ではこのコレクションを用いて腸管粘膜への定着、腸管の突破、血流感染、各臓器への各播種感染プロセスに必要な遺伝子を独自に開発した次世代シーケンサーを用いた優占率測定法によって選別する。次にこれら感染プロセスに必要な遺伝子の生理的機能解析を行い、各感染プロセスに必要な機能を明らかにすることによりどのような因子が、どのような局面で、どのように機能するかを解明し、これをPATHOME解析と呼ぶことを提案する。 我々は2011年にマウスを用いてカンジダ菌の「腸管粘膜への定着、腸管の突破、血流感染、各臓器への播種感染」実験モデルを確立しており、2018年度はその実験モデルの解析を改良し、マウスに置けるカンジダグラブラータ感染後の生存率測定法を確立した。さらに次世代シーケンサーを用いた各組換え体占有率の測定法(NGS占有率解析法)を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度はその実験モデルの解析を改良し、マウスに置けるカンジダグラブラータ感染後の生存率測定法を確立した。さらに次世代シークエンサーを用いて、混合した組換え体コレクションの個体群解析法を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
各感染経路突破に不可欠な遺伝子の同定: 組換え体コレクションの組換え体を混ぜ「腸管粘膜への定着、腸管の突破、血流感染、各臓器への播種感染」に必要な遺伝子を同定する。見出された感染プロセスに必要な遺伝子群について、各遺伝子の生理機能を調べる。
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