2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18H02716
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松井 秀彰 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (60710853)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経変性 / ミトコンドリアDNA / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
異所性のミトコンドリアDNAが惹起する神経変性の病態を、培養細胞、様々なモデル動物、そしてヒト剖検例を用いて明らかにしつつある。具体的にはパーキンソン病モデル動物(GBAノックアウトゼブラフィッシュ、アフリカメダカなど)あるいはパーキンソン病に関連した遺伝子に介入した培養細胞モデルにおいて不要のミトコンドリアDNAが異所性に蓄積することを免疫染色、in situ hybridization、あるいは定量PCRなどの様々な手法で明らかにした。これらの不要のミトコンドリアDNAが分解できない状態は神経変性につながっているが、例えばミトコンドリアDNAを漏出させるような種々の介入を培養細胞に実施した場合でもやはり細胞毒性が惹起されることが確認された。ヒトパーキンソン病剖検例でも同様に不要のミトコンドリアDNAが異所性に蓄積する可能性を徐々に明らかにしつつある。さらに以上の種々のパーキンソン病モデル(ゼブラフィッシュや培養細胞モデル)において不要のミトコンドリアDNAを分解することで神経変性や細胞毒性が改善することを示した。漏出した細胞質の異所性のミトコンドリアDNAを細胞や個体がどのように認識し処理するか、あるいは細胞毒性や神経変性につながるかという点については、現在鋭意解析中であるが、すでにいくつか関与するパスウェイおよび分子を同定している。以上のように初年度、二年度と異所性のミトコンドリアDNAが惹起する神経変性の病態を詳細に明らかにしてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のように既に当初の計画はおおむねクリアしつつある。本研究から得られた成果は様々な分野に展開しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞質に漏出した異所性のミトコンドリアDNAのセンサーを同定し、その上下流のパスウェイを明らかにすることに注力する。
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