2020 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内の代謝微小環境が放射線耐性を誘導するメカニズムの解析
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18H02759
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康仁 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (90435561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 司 北海道大学, 医学研究院, 講師 (20457055)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線 / 糖代謝 / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、基本となる実験系としてこれまでと同様に「細胞特異的グルコース導入法」を用いつつ、さらに「複数遺伝子構築導入のための新規薬剤耐性マーカー」を組み合わせることによって、種々のレポーターおよびセンサーを発現する構築や遺伝子発現調節(過剰発現やノックダウン)のための構築の同時導入を行った。具体的には、細胞内の酸化・還元状態をモニタリングするプローブを発現する構築や、マイクロアレイ解析から重要であると考えられた遺伝子のノックダウンや過剰発現を行うための構築などである。現時点では、単独の遺伝子の発現調節による「代謝協調」の完全な阻害には至っておらず、複数遺伝子の冗長的な関与が示唆される。また、「代謝協調状態」において特異的に発現変動する遺伝子のレポーターを単離し、三次元培養環境で形成された腫瘍塊における「代謝協調」の成立について確認した。さらに、本年度は「細胞特異的グルコース導入法」により単独培養した細胞の馴化培地を用いた代謝産物解析も行った。この培地はグルコースを含まずグルコース由来の代謝産物のみを含むため、「飢餓細胞」が必要とする中間代謝産物の特定に最適であると考えた。しかしながら、乳酸やアラニンなど、これまでの報告で糖飢餓細胞が利用するとされる代謝産物は変動しておらず、種々のアミノ酸量もむしろ増加していた。現時点で「代謝協調」を媒介する物質の特定には至っていないが、培地中で比較的不安定な物質や、通常のメタボローム解析では測定が困難な物質が介在していると推測している。関連する内容として、リソソームやエクソソームの分泌の関与についても解析を行った。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)