2020 Fiscal Year Annual Research Report
化学交換飽和移動MRIを用いたアルツハイマー病における認知予備能評価法の開発
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18H02762
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 博中 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20231128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 真樹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10203738)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MRI / CEST / アルツハイマー病 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も研究は順調に進み、前臨床用7T装置および自作の画像計算プログラムを用い、アルツハイマーモデル動物(5xFAD transgenic mouse)の経時的測定を行ったPOC研究において、gluCEST測定後に測定部位の検体を用いてELSAを用いシナプス密度の生化学的な指標となるSynaptophysinを測定、gluCESTによる測定値と良好に相関することを確認した。この結果および、側頭葉と海馬ではgluCESTの減少が脳血流(CBF)の低下に先行したこと、5xFADマウス縦断測定では、局所的なgluCEST効果はCBFと相関していたが、一般化線形混合モデルでは大脳皮質では基底部とは統計的に異なる相関を示したこと。頭頂皮質ではNODDI MRIを用いた神経軸索・樹状突起密度はgluCEST効果と相関していたが、海馬では相関しておらず、病態生理学的なメカニズムの地域差を明らかにし、これらの結果を論文化(doi:10.1155/2020/8831936)した。更に人への応用を開始し、グルタミン酸およびゼラチンを用いたgluCEST専用ファントムを作成し、これを用いて測定シークエンスを開発、2Dイメージング法としてエコー・プレナーイメージング収集法によるシークエンスを開発するとともに、ヒト用7Tからの画像データの計算に最適化した画像計算プログラムを作成、ヒト用7Tを用い成人健常ヒトによる2D gluCESTに成功し、ヒト海馬におけるシナプス密度計算画像を得ることに成功した。このシークエンスを更に発展させ、スパイラル収集法を用いた3Dイメージング・シークエンスのコーディングを終了し、ファントムを用いた最適化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定より1年早く、ヒト脳のgluCESTを用いたシナプス密度イメージングに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dイメージングを開発するとともに、来年度は正常ヒト脳におけるgluCESTを進めるとともに、それを通して測定手順の最適化を行い、疾病例においてもスムーズにデータ採取を進めることのできるプロトコルを完成させる。
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