2018 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血細胞移植による低容量肺血管床のリモデリングに関する研究
Project/Area Number |
18H02888
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北川 哲也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (80240886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北市 隆 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (20335813)
中川 竜二 徳島大学, 病院, 講師 (10403685)
加地 剛 徳島大学, 病院, 講師 (20467822)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞移植 / 臍帯血 / 低容量肺血管床 |
Outline of Annual Research Achievements |
8週齢の免疫欠損(BALB/c Slc- nu/nu)マウスの気管内挿管下に人工呼吸器を装着し、小さな前側方開胸下に左肺動脈の上葉枝または主肺動脈をクリップして閉塞させ、低容量肺血管床モデルマウスを作製する左肺モデル作りを行った。しかし、安定した生存率を得られ、ヒト臍帯血細胞移植のレシピエントとして用いるには技術的な困難さがあった。そこで、本研究の肺血管床減少性レシピエント動物モデルとしては、モノクロタリン(MCT)誘発肺高血圧モデルマウスを用いることとした。 本施設倫理委員会の承認下に、本研究に対する同意を得た産婦(ヒト)の分娩時に臍帯静脈血を採取した。ヒト臍帯血細胞の解析ではCD34+、CD45+、CD133+前駆細胞は全体の1.02%を占め、0.25ml中にそれらを2.57%に濃縮された1×107個の単核球細胞を含む投与液として調整している。 免疫欠損(BALB/c Slc- nu/nu)モノクロタリン(MCT)誘発肺高血圧モデルマウスにヒト臍帯血細胞を眼窩静脈より移植すると、肺小動脈の数が増え、その中膜平滑筋層の肥厚が改善し、右室肥大が改善すること、つまり肺血管床を改善できることを確認した。また、その効果発現にはヒト臍帯血の血清成分ではなく移植細胞自体が必要であったが移植したヒト臍帯血細胞の役割については未だ不明である。 そこで、移植したヒト臍帯血細胞をDi-I(カルボシアニン蛍光)にてラベルし、レシピエントマウス肺内での存在、動態(viability, activity)を、移植 3時間後, 24時間後および 7日後と経時的に追跡している。また、IVISバイオイメージング法やRT-PCR法にて肺組織内で血管新生のために動員された細胞の起源を特定する研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
8週齢の免疫欠損(BALB/c Slc- nu/nu)マウスの気管内挿管下に人工呼吸器を装着し、小さな前側方開胸下に左肺動脈の上葉枝または主肺動脈をクリップして閉塞させ、低容量肺血管床モデルマウスを作製する左肺モデル作りを行った。しかし、安定した生存率を得られ、ヒト臍帯血細胞移植のレシピエントとして用いるには技術的な困難さがあった。そこで、本研究の肺血管床減少性レシピエント動物モデルとしては、モノクロタリン(MCT)誘発肺高血圧モデルマウスを用いることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に得られた結果を基にして,当初の目的とした臍帯血細胞移植による未熟あるいは傷害された低容量肺血管床の改善効果機序について,特にパラクライン効果について,そして経静脈的に移植した臍帯血細胞あるいは骨髄幹細胞の体内動態と役割について補足研究を行う.蛍光色素(CMTMR)でラベルしたヒト臍帯血細胞を免疫欠損マウス(BALB/c Slc- nu/nu)のモノクロタリン誘発肺高血圧モデルに経静脈的に移植し,経時的な移植15分後,1日後及び5日後にレシピエントマウス体内での動態を追跡し,特に肺内での臍帯血細胞の動態追跡したデータを評価する。移植したヒト臍帯血細胞の体内動態とレシピエント内の動態分布を見るため,蛍光標識したヒト臍帯血単核球細胞をIVIS imagingを用いて追跡研究し,臍帯血を投与したモノクロタリン肺高血圧マウスと投与しない肺高血圧マウス群において,それぞれ臍帯血投与10分後,30分後,1時間後,3時間後,6時間後及び24時間後の体内臓器分布,特に肺組織への局在について検討しているので,その研究データを解析し、肺血管床改善効果の機序と移植細胞の役割について研究し,その臨床応用についても考察する.
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Research Products
(12 results)