2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of the cerebellum and basal ganglia for functional recovery in patients with hemiparetic stroke
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18H03135
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大高 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00317257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 淳 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20582349)
荒牧 勇 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (40414023)
川上 途行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80424133)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動学習 / 脳卒中 / リハビリテーション / 機能回復 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳卒中片麻痺患者における小脳と基底核による2つの学習機構(感覚予測誤差学習と強化学習)に着目し、学習機構のそれぞれのモダリティ低下と脳損傷部位との関連を電気生理学・画像解析によりシステム論的に理解する。さらに、学習機能低下と帰結との関連を多症例の縦断データにおいて検討し、学習機構の変容が機能回復へ及ぼす影響を解明する。2019年度は、前年度に確立をした機能回復を評価するためのいくつかの臨床指標セット、外骨格ロボットKINARMによる上肢リーチング機能の定量評価、脳内の神経ネットワークの状態を評価する電気生理学的評価(第一次運動野の興奮性、皮質脊髄路の健全性、皮質内抑制、小脳抑制および末梢の評価として運動神経を刺激して得られる複合筋活動電位)について、回復期リハビリテーション病棟に入院中の実際の脳卒中患者のデータ蓄積を行った。すでに20名以上の患者の縦断的データを蓄積した。 一方、行動実験のパラダイムについては、外骨格ロボットKINARMをプラットフォームとして、実装する運動課題プログラムの実際の枠組みを議論し、プログラムを作成し、健常者および脳卒中患者において施行を積み重ね、健常者と患者では課題を行う能力などに差異があり大きな改良を加えた。結果、脳卒中片麻痺患者においても2つの学習能力を見分けることが可能な運動課題プログラムが概ね確立した。脳画像データについては、画像撮像に関係する部署との議論を踏まえ実施体制を確立し、ボクセルサイズで脳構造の異常部位を同定する解析手法を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床評価指標、電気生理学的評価については順調にデータ取得を行なっている。一方で、行動実験パラダイムを用いた運動プログラムの確立は、健常者のプログラムをもとに当初構築をしたが、実施の患者は高齢者であり、かつ疲労や耐久性の問題などがありプログラムを大きく改変する必要があったため遅れている。また、行動プログラムの患者でのデータ取得およびプログラマーの常駐が、3月より新型コロナウイルスの関係で、病棟の感染対策管理上の規制により中断されている。脳画像については行動プログラムが整い次第同時取得が可能な状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度より実験体制の人員をさらに強化し、研究員を1名に加え大学の教員を2名が従事する予定である。新型コロナウイルスの終息後に速やかに患者でのデータ取得を進める予定である。またプログラマーについても、引き続き当研究室に訪問・短期滞在するほか、オンラインを活用して運動プログラムの必要に応じた迅速な改変等を行う予定である。
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