2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of systemic thermal habits on chronic kidney disease onset and progression and their underlying mechanisms elucidation
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18H03137
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
飯山 準一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (00398299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 孝成 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (00393356)
岩下 佳弘 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (70623510)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CKD / ライフスタイルプロフィール / 温熱習慣 / TRPV4 |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は深部体温 1℃上昇を30分維持させる全身温熱の4W反復により、慢性腎臓病(以下CKD; Chronic Kidney Disease)モデルマウスの血清クレアチニン値,尿中アルブミン量の増悪が軽減されることを明らかにした(Am J Phys Renal phys. 2016)。本研究はこれまでの基礎研究の成果をヒトを対象と治験へと発展させる前段階とした疫学研究(研究計画1)と、基礎研究をさらに進め前述の効果が得られる機序の解明を目指す研究計画2からなる。 研究計画1では、研究室ホームページ内にウェブアンケートシステムを用いた疫学研究プラットフォームを作成した。別途作成したエントリー募集のポスターやチラシを事業所や健診センターに配布、あるいは新聞紙上でCKD対策について解説する中で疫学研究プロジェクトを案内するなどしてCKD者個々人にエントリーしてもらい、ウェブ上で登録およびデータ入力、アンケート回答を行ってもらい、現在データ収集中である。 研究計画2では温熱の単介入による短い時相での腎保護効果について、シスプラチン腎障害モデルマウスを用いて、(TRP; Transient Receptor Potential)V4阻害剤を用いた検討を行ったが、腎保護効果はほとんど阻害されなかった。逆にTRPV4阻害でも急性炎症が軽減されていた。急性炎症と慢性炎症で、腎保護効果のメカニズムはかなり異なる可能性が考えられる。またTRPV4以外の温熱受容体含め複数の受容体が腎保護効果に関わっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究室ホームページ内のウェブアンケートシステムへ対象者を誘導するために、別途作成したエントリー募集のポスターやチラシを事業所や健診センターに配布、あるいは新聞紙上でCKD対策について解説するなど啓蒙活動を通して周知活動を行っているが、新型コロナ禍の影響で、活動を自粛せざるを得ずデータ収集に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画1の疫学研究については、データ収集の遅れはあるものの、ウェブアンケートシステムを用いた疫学研究プラットフォームは完成したので、周知活動を行えば必要とするCKD2,000名程度のデータは収集できるものと思われる。今後エントリー状況を見ながらより有効な周知活動を探ってデータ収集を継続していく。 研究計画2の基礎研究については、今後も38-39℃程度の深部体温より1-2℃高い温熱が腎組織の細胞膜上にある複数の温熱受容体を介して、細胞内にどのようなシグナル伝達を与えるか、一方で炎症発生後に炎症細胞の膜上にある温熱受容体を介して、サイトカイン放出など炎症細胞活動にどのような影響を及ぼすか解析していく。
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Research Products
(7 results)