2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on causality and neurobehavioral mechanisms in the association between internal desynchronization caused by rotating shift work and mental and physical health problems
Project/Area Number |
18H03175
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東郷 史治 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (90455486)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 泰喜 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (80436451)
石渡 貴之 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (40435235)
緒形 ひとみ 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (80455930)
吉崎 貴大 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (50732830)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 交代制勤務 / 心身の健康 / 睡眠 / 栄養 / 概日リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液中の時計遺伝子のmRNA抽出法と概日リズムの評価手法の妥当性を検討した。測定対象候補者を生活行動の時間的指向性から朝型、中間型、夜型に分類し、それぞれ3名を測定対象者として選択した。実験では、日常生活下での唾液採取(4時間毎に計5回の採取)、実験室内(24時間覚醒継続下)での唾液採取(1時間毎に採取)、深部体温計測、心電図計測を実施した。採取した唾液からmRNAを抽出し、時計遺伝子の発現状況について解析をした。また、実験室実験で採取した唾液からは、メラトニン濃度とコルチゾール濃度についても解析をした。動物実験では、交代制勤務動物モデルを作成するシステムを用いて、日勤条件日、夜勤条件日、休日を設定し、Wistar系雄ラットで交代制勤務動物モデル6匹と日勤動物モデル6匹を作成した。交代制勤務動物モデルでは、日勤条件2日、夜勤条件1日、休日1日、日勤動物モデルでは日勤条件3日、休日1日のセットをどちらも4回繰り返した。ラットには、腹腔内に深部体温、活動量、心電図を計測する小型機材を埋め込み、実験期間中のそれぞれのデータを計測した。また実験期間の終了後に、抑うつ/不安行動特性を定量化するためのテスト(オープンフィールドテスト)、脳内の神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン等)をホモジネートを用いて計測した。また、これまでに構築した交代制勤務動物モデルを作成するシステムに、明暗周期のコントローラーと飲水量等をモニタリングできるボトルを新規に加え、甘い水等の摂餌行動をモニタリングするシステムを一部、構築した。人を対象としたシミュレーション実験等では、脳機能検査(fMRI)の実施準備を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、測定対象者を増やし、唾液中の時計遺伝子のmRNA抽出法と概日リズムの評価手法の妥当性について検討を進めた。また、脳機能検査(fMRIと脳波)で使用する食品の画像提示プログラムを作成し、大学生を対象として、夜勤(夜間睡眠剥奪)による反応特性について検討を進めることができた。一方で、fMRI等の計測については、感染症対策に関わる測定対象者の移動制限等、また機材使用の制限により、実施ができなかった。動物実験については、交代制勤務動物モデルを作成するシステムを用いて、昨年度に引き続き、交代制勤務モデル動物と日勤モデル動物をそれぞれの条件下で作成し、脳内神経伝達物質や行動特性について計測を実施することができた。また、明暗周期のコントローラーと飲水量等をモニタリングできるボトルを新規に加え、甘い水等の摂餌行動をモニタリングするシステムを一部、構築できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
交代制勤務シミュレーション実験を実施する。まず日常生活下で1日最大5回(起床直後、起床30分後、昼食前[夜勤時は午前0時]、勤務終了後、就寝前)唾液を採取し、時計遺伝子のmRNA発現を測定する。その後、脳機能検査を実施する。脳内の報酬系、抑うつ気分、不安気分の制御に関わる部位(前頭前皮質等)の反応特性(高カロリー食品、甘い食品、陰惨な状況等の画像に対する反応)を近赤外線分光法による血流量、または脳波に生じる事象関連電位を用いて計測する。動物実験については、交代制勤務動物モデルを作成するシステム、明暗周期のコントローラーを用いて、Wistar系雄ラットで交代制勤務動物モデル6匹、日勤動物モデル6匹、コントロールモデル6匹を作成する。交代制勤務動物モデルでは、日勤条件2日、夜勤条件1日、休日1日、日勤動物モデルでは日勤条件3日、休日1日のセットをどちらも4回繰り返し、その間の摂餌行動をモニタリングする。またラットには、腹腔内に深部体温、活動量、心電図を計測する小型機材を埋め込み、実験期間中のそれぞれのデータを計測する。実験期間の終了後に、抑うつ/不安行動特性を定量化するためのテスト(オープンフィールドテスト)、脳内(背側縫線核、正中縫線核、黒質網様部、腹側被蓋野、青斑核、視交叉上核、線条体、室房核、海馬、前頭前皮質、視索前野、後視床下部、扁桃体、視床下部外側野、視床下部腹内側核、視床下部背内側核等)の神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン等)をホモジネートを用いて計測する。
|
Research Products
(8 results)