2019 Fiscal Year Annual Research Report
老化・疾病をもたらすミトコンドリア機能障害を鋭敏に捕らえる手法の開発
Project/Area Number |
18H03180
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松島 雄一 九州大学, 医学研究院, 助教 (20571342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸山 大樹 九州大学, 大学病院, 助教 (30550850)
相原 正宗 九州大学, 医学研究院, 講師 (30748843)
内海 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (80253798)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はミトコンドリア機能異常を検出する手法の開発である。ミトコンドリア機能異常はミトコンドリアでのATP産生の減少やタンパク質のクオリティコントロールの低下等を伴うと考えられているが、このような軽微~中程度のミトコンドリア機能異常を鋭敏に検出する方法は今のところ存在しない。本研究は様々なミトコンドリ ア機能異常モデル等を用いて疾病や老化などに伴うミトコンドリア機能異常の検出への応用を目指す。本年度は前年度に引き続き本研究の基盤となるミトコンドリア機能障害モデル細胞の樹立や実験方法の確立を目的として実験を進めた。得られた実績を以下に示す。 ①ミトコンドリア呼吸鎖酵素の発現に影響を与える遺伝子をターゲットとしてミトコンドリア機能異常細胞の樹立を試みた。しかし、遺伝子編集技術を用いてノックアウト細胞の樹立を試みたが致死となった。そこで、最初に薬剤誘導型の外来性ターゲット遺伝子を導入した細胞を樹立した。次にその細胞の内在性ターゲット遺伝子のみを遺伝子編集技術を用いてノックアウトした細胞を樹立した。この樹立した細胞は、誘導薬剤濃度を変化させることでターゲット遺伝子産物量が変化すること、またこと変化に伴い軽度~重度のミトコンドリア機能異常を示すことを確認した。 ②ミトコンドリアにおけるATP合成に間接的に影響を与える遺伝子のドミナントネガティブ型変異体を誘導発現させることでミトコンドリア機能障害を引き起こす ヒト培養細胞を樹立した。誘導薬剤濃度を変化させることでターゲット遺伝子産物量が変化し、この変化に伴い軽度~重度のミトコンドリア機能異常を示すことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き、当初の予定通りに本研究の基盤となる実験材料の樹立や実験条件の確立を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き本研究で用いる軽度~重度のミトコンドリア機能障害モデルをさらに複数作製すると同時に、作成したミトコンドリア機能障害モデルに対し、ミトコンドリア機能の低下を鋭敏に検出可能であるかどうかを検証してく予定である。
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Research Products
(3 results)