2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of heterogeneous causal effect estimation
Project/Area Number |
18H03209
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
星野 崇宏 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20390586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪狩 良介 法政大学, 経営学部, 講師 (00824468)
加藤 諒 神戸大学, 計算社会科学研究センター, 助教 (30823843)
繁桝 算男 慶應義塾大学, 社会学研究科(三田), 訪問教授 (90091701)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 因果効果 / 階層データ / 適応的デザイン / ノンコンプライアンス / ベイズ推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究目的はルービン因果モデルの枠組みを拡張し、店舗と消費者、病院と患者、クラスと生徒のような階層性のあるクラスターデータにおける因果効果の異質性や、同一個人でも何らかの要因により介入効果が異なる個人レベルの効果の異質性について統一的なモデル表現を行い、既存手法で生じるバイアスを回避する効率的な推定法を開発することを目的としている。 昨年度は当初研究計画での理論研究のうち特にpotential outcome間の同時分布の識別条件とその推定方法についての研究を中心的に実施した。この同時分布が識別可能な場合には異質性の指標であるquantile treatment effectなど様々な因果効果の量が識別可能となるため、非常に重要である。ここでの研究によってこれまで識別できなかった量の識別と推定が可能になることがわかり、応用にも非常に有用な基礎的理論研究が得られたと考えている。 その結果についてはarXivにディスカッションペーパーとして2編掲載し、それぞれ著名学術誌に投稿中である。 加えて、偏りのあるデータの特殊形態であるbiasd sampling、および回帰不連続デザインにおいて新しい推定法の導出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度得られた理論的知見は非常に一般的であり、以後の研究期間でのさまざまな研究の発展を与えるすぐれた理論的知見であるため。直接には研究計画の(1)クラスターあるいは個別ごとの介入の最適化についての研究であったが、これが(3)適応的デザインでの解析への応用に直接有用であり、また(5)母集団情報やマクロデータ、代表性のあるデータを利用した補正、にも直接関連するものである。従って予定を変更して今年度はこれらの理論研究に注力して成果を挙げる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の非常に強力な理論的知見をもとに、研究計画の(1)クラスターあるいは個別ごとの介入の最適化についての研究や、(3)適応的デザインでの解析への応用に直接有用であり、また(5)母集団情報やマクロデータ、代表性のあるデータを利用した補正についての理論研究に注力して成果を挙げる予定である。 これに関連して昨年実施しなかったシミュレーション研究を大規模に実施する。 また、応用研究としてレセプトデータ、教育データとマーケティングデータについては(1)と(3)の分野について研究を実施する。今年度は理論的な研究の成果を海外学会での発表および海外著名誌に論文投稿を行い、応用研究についてはまずは国内学会を中心に発表したあと、国内外の査読雑誌に投稿する予定である。特に理論的な研究成果は昨年度は論文投稿を中心としたため、今年は海外学会でも発表予定である。
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Research Products
(6 results)