2018 Fiscal Year Annual Research Report
パラメータ調整が不要な誤差推定付き高精細画像生成技術の開発
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18H03348
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
岩崎 慶 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90379610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 宜典 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (00295841)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 誤差推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多光源レンダリング法に着目し誤差推定法を提案する.多光源レンダリング法は,多数の仮想的な点光源(Virtual Point Light, 以降VPLと略す)を用いて,輝度を計算する点(以降,シェーディング点と呼ぶ)への照明を表現する手法である.多光源レンダリング法は,アルゴリズムがシンプルで用途が広いため,商業用デザインソフトウェアにも採用されている.多光源レンダリング法では,高精細な画像を生成するために通常数十万から数百万のVPLを使用する.すべてのVPLを用いてシェーディング点での反射光の輝度を計算することは計算コストが高いため,VPLをクラスタリングして高速化する手法が主流となっている.しかしながら,VPLをクラスタリングする手法では,クラスタリングによる誤差を制御できていないという問題点がある.クラスタリングによる誤差はアーティファクトやノイズとして画像に現れるため,誤差を制御できないと,所望の画質を得るためにはクラスタリングに関するパラメータ調整の試行錯誤が必要となり,ユーザに多大な負担がかかる.本研究は,真値との誤差を精度よく推定し,誤差を制御することで,パラメータ調整を不要とする効率的かつ実用的な画像生成法を提案する.画質に関する2つの直感的なパラメータを指定するだけで,1度のレンダリング(画像生成)で所望の画質を得ることを目標とする. 2018年度は,関与媒質・アンチエイリアシング・被写界深度を考慮した画像生成における誤差推定法を提案した.従来手法であるMultidimensional Lightcutsと比較して,推定精度を2倍以上向上させた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関与媒質・アンチエイリアシング・被写界深度を考慮した画像生成における誤差推定法を提案し,研究成果をまとめ,国際会議SIGGRAPH ASIA 2018 Technical Briefsにおいて発表した.また,この研究を発展させ,国際論文誌に投稿し採択された.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き誤差推定法について研究を行う.提案法では良好な結果を得ているが,複雑なシーンにおいて目標の推定精度に達しない場合があった.これは,仮想的な点光源と輝度を計算するシェーディング点間の遮蔽が問題であると考えられる.推定精度をさらに向上させる手法について改善を進めていく.
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