2020 Fiscal Year Annual Research Report
人間の地磁気感受性の行動・生理計測-磁気覚と視覚の干渉効果を利用して-
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18H03500
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
眞溪 歩 広島大学, 脳・こころ・感性科学研究センター, 教授 (50273842)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 磁覚 / 脳波 / Stroop効果 / priming効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「ヒトは地磁気感受性を未だ保有しているのか?」という問いに対し,その存在を行動・生理実験で示すことを目的とした.背景として,人間は磁気感受性を有する動物が持つ磁気受容体を有しているが,先行研究において,地磁気を手掛かりに方向を問う直接的な行動実験が一旦成功したものの再現性がなかったということが挙げられる.また,本研究で実施したスイング磁場に対する脳波計測において,脳内神経処理が行なわれたことを示すアルファ波の事象関連非同期現象(α-ERD)を観察することに成功した.その後,2020年度に研究代表者の東大→広大の異動があり,コロナ禍の影響も伴い,実験装置の移設・立ち上げに時間を要したたり,被験者の確保が難しくなり,本研究を1年間繰り越し延長した. 当該年度においては,行動実験によって地磁気感受性を明らかにすることを目標にした.これは,回転磁場中で左右に移動する光刺激の移動方向を答える行動実験での反応時間に,Stroop効果,priming効果,Gratton効果等の干渉効果が表れるかを調べるものであり,知覚に登らない潜在意識下での地磁気感受性を干渉効果で間接的に計量しようとしている.実験は前方をN極,S極が通過する条件とSham条件から構成され,S極が通過する場合にのみStroop効果と磁場のpriming効果が有意に観察された.前述のα-ERD実験の結果からは,N極通過条件で効果が観察されると予想されるため,投稿論文原稿作成において共著者との議論が続いている.また,その議論の中で磁気受容体の候補に電磁誘導を加えるようになり,電磁誘導電流の電気的制御法を開発した.これを用いた予備実験に着手し,今後も研究を継続していく予定である. なお,本研究は一般的に関心を引きやすい研究であり,当該年度中にBSフジのガリレオX,BS-NHKのヒューマニエンスに出演する機会を得た.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)