2018 Fiscal Year Annual Research Report
Communication between brains by synchronization of neural oscillations
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18H03502
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
水原 啓暁 京都大学, 情報学研究科, 講師 (30392137)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直行 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (70312668)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | コミュニケーション / 脳波 / シンクロ / 音声知覚 / 自然言語処理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本提案では，ヒトとヒトのコミュニケーションは、コミュニケーションを行う二者の脳の神経活動の振動（神経リズム）がシンクロ(引き込み協調)することによって実現される，という仮説を検証する．脳間のコミュニケーション，つまりヒトとヒトのコミュニケーションを理解するために拡張可能な共通原理であると考えて，コミュニケーション課題を遂行中の被験者からの脳波計測を実施するとともに，神経リズムのシンクロを非侵襲的に操作することで，コミュニケーションの量的および質的変化が起こるかを調べる．本研究提案の成果は，円滑なコミュニケーションを実現するための技術開発につながる．
平成30年度においては，以下の2つの研究項目について研究を開始した．
「(1)コミュニケーション時の脳波と音声のシンクロ」については，実験パラダイムを検討するとともに，実験に用いる音声刺激を作成した．本提案研究では脳波と音声のシンクロが，コミュニケーションの促進/抑制と関係していると想定している．この仮説検証を目的として，小説文章のナレーション音声を聴取中の脳波計測を実施し，ナレーション文章を記憶できている場合と記憶できていない場合において，音声と脳波のシンクロ度合いが変化することを検証する予定である．そこで，今年度においては実験に用いるナレーション音声を作成するとともに，音声理解の度合いを定量的に評価するための実験パラダイムを構築した．
「(2)非侵襲脳刺激による神経リズム協調の操作」については，自他分離にかかわる脳機能を操作することを計画している．この目的のためには，自他分離の度合いを定量的に評価可能な実験パラダイムの構築が必要となる．そこで今年度においては，自身の運動を自己の運動を認識する「自己主体感」に着目して，自己主体感を操作可能な実験パラダイムを構築した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本提案研究においては，脳間の神経活動のシンクロがヒトとヒトとのコミュニケーションを実現しているとの仮説のもと，この仮説検証を行うとともに，ヒト脳刺激によりコミュニケーションにかかわる基礎機能である自他分離を操作することを計画している．
コミュニケーションにおける脳間のシンクロについては，コミュニケーションにおける音声に含まれるリズムと脳波がシンクロする現象に着目して，このシンクロが音声コミュニケーションを促進していることを検証する．この検証のための準備段階として，実験に用いる音声刺激の作成が完了しているとともに，実験パラダイムの構築を完了した．さらに，音声コミュニケーションの成否を検証するために用いる自然言語処理についても，その仕様の検討を完了しており，次年度において実験を開始する準備が整っている．
またヒト脳刺激によるコミュニケーションの操作においては，特にコミュニケーションの基礎過程に必要な機能として自他分離について操作することを計画している．そこで今年度の研究において，自他分離の度合いを定量的に評価可能な実験課題を構築するとともに，この課題を用いた際のヒト脳刺激の仕様について検討を始めている．また，構築した実験パラダイムについては国際会議での成果発表とともに，国際論文誌への掲載に向けての論文執筆を開始している．
以上のことから，おおむね当初の予定通り計画が進んでいると評価できる．
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| Strategy for Future Research Activity |
本提案研究では，脳間のコミュニケーションにおいては遅い周波数の神経リズムがコミュニケーションを促進しているものと考え，この脳波を操作した際のコミュニケーションの促進・抑制を検証する．具体的には，以下の項目について研究を継続する．
(1)コミュニケーション時の脳波と音声のシンクロ
(2)非侵襲脳刺激による神経リズム協調の操作
「コミュニケーション時の脳波と音声のシンクロ」については，音声コミュニケーション中の脳波計測を実施することで，音声に含まれる複数のリズム(韻律やシラブル)帯域での神経リズムと音声との協調により音声コミュニケーションが促進していることを検証する(担当：水原)．音声コミュニケーションの成績評価については，実験後に相手の会話内容について自由想起を行わせる．Word2Vecと呼ばれる自然言語処理のニューラルネットワークモデルを用いて，自由想起文の単語意味をベクトル表現し，実際の会話内容との意味の一致度を比較・評価する技術を分担者の佐藤がすでに構築済みであり，この技術を応用することで音声コミュニケーションの理解度について定量評価する(担当：佐藤)．理解度が促進/抑制した際の二者の脳波の神経リズム協調が増大/減少する周波数帯域を探索する．
「非侵襲脳刺激による神経リズム協調の操作」については，自他分離にかかわる脳機能を操作することを計画している．自己と他者を正しく認識することで脳間のコミュニケーションは実現可能であることから，コミュニケーションの基礎過程として重要な機能となる．そこで前年度までに，自他分離の変容を定量的に検証可能な心理実験課題を構築した．本年度においては，この心理実験課題を用いて，脳の磁気または電気刺激により神経リズム協調を操作することで自他分離機能が変容するかを検証するための準備を開始する．
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Research Products
(1 results)
