2019 Fiscal Year Annual Research Report
無侵襲温度計測機能を有する非接触型立体共振器アプリケータの開発
Project/Area Number |
18H03553
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
加藤 和夫 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80115104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 康弘 東洋大学, 理工学部, 准教授 (00553017)
井関 祐也 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00780222)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 矩形空胴共振器アプリケータ / 超音波温度計測 / 無侵襲温度計測 / ハイパーサーミア / 深部癌 / 非侵襲深部加温 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究実施計画と対比しながら以下に述べる。 (1)前年度に設計・試作した本加温システムを用いて、シンプルな円筒形状及び臨床応用を視野に入れた人体形状の寒天ファントム加温実験を実施した。その結果、被加温体の形状に関らず十分な深部加温特性を確認することが出来た。2019年7月に開催されたIEEE EMBC2019国際会議において、本結果を公表した。(担当:加藤、新藤、井関) (2)上述の加温実験とともに、有限要素法(FEM)解析手法による電磁界分布計算及び温度分布計算を実施し、加温シミュレーションの有用性を確認した。同じくIEEE EMBC2019国際会議において、本結果を公表した。(担当:新藤、加藤、井関) (3)サブピクセル高分解能超音波温度計測手法による寒天加温時の三次元非侵襲温度計測を実施し、本研究経費により購入した4チャンネル蛍光式光ファイバー温度計による多点温度計測結果との比較を行った。その結果、今回初めて両者の誤差は1℃程度であることを定量的に明らかにした。2019年9月に開催されたICEAA-IEEE APWC2019国際会議において、本結果を公表した。(担当:井関、加藤、新藤) (4)上記(3)の実施に関連した熱定数測定法の改善策として、試料の固定に直径1mm程度の針を使用した水中超音波画像撮像を実施した。同じくICEAA-IEEE APWC2019国際会議において、本結果を公表した。(担当:加藤、井関、新藤) 総合評価として、本年度の研究計画を十分に実施でき、次年度の研究計画に着手できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画はほぼ順調に進展している。具体的には、本研究課題の2大テーマである、FEM解析をツールとして、「非接触深部加温を可能にする矩形空胴共振器アプリケータの開発」と「非侵襲三次元超音波温度計測手法の確立」を実現できる可能性を示すことが出来たと考えている。 (1)設計・試作した本加温システムの性能評価した結果、標準的な円筒形状寒天ファントムに加えて、自作したより臨床に近い人体形状の寒天ファントムの加温実験結果からも、被加温体の形状に関らず十分な深部加温特性を有することが確認できた。 (2)FEM解析手法による加温シミュレーションの有用性を、試作した本加温システムによる種々の形状を有するファントム加温実験結果から確認した。 (3)本研究で提案しているサブピクセル高分解能超音波温度計測手法による寒天加温時の三次元非侵襲温度計測結果と4チャンネル蛍光式光ファイバー温度計(当該年度に購入)による多点温度計測結果との比較から、両者の誤差は1℃程度であることを明らかにした。本項目は、非接触深部加温と非侵襲温度計測を同時に実現した結果として、関連の国際会議において高い評価を受けたと考えている。 (4)上記(3)の実施に関連した熱定数測定法の改善策として、試料の固定に直径1mm程度の針を使用した水中超音波画像撮像を実施した結果、熱定数の測定誤差を抑えることが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で示したように、当初の研究計画は、ほぼ順調に進展しており、今後の研究の推進方策に変更はない。以下に、2020年度の研究計画の概要を述べる。 (1)これまでに試作した「非侵襲温度計測機能を有する非接触型立体共振器アプリケータ」を用いた模擬人体寒天ファントムの加温実験及び超音波温度計測を実施し、その有効性を再確認する。 (2)上記(1)に対応したFEM解析を実施し、その有用性を示す。 (3)精肉を用いた模擬人体ファントムの加温実験及び温度計測を実施し、その有効性を示す。 (4)小動物を対象とした模擬加温実験を実施し、本提案システムの有効性を示すとともに、本研究プロジェクトの総括を行う。
|
Research Products
(5 results)