2019 Fiscal Year Annual Research Report
アーカイブズとしての書籍―書籍史料を次世代に伝えるために―
Project/Area Number |
18H03584
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
若尾 政希 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80210855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 冬彦 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (70166883)
引野 亨輔 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90389065)
佐藤 宏之 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50599339)
山本 英二 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (20262678)
望月 良親 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30814040)
小関 悠一郎 千葉大学, 教育学部, 准教授 (20636071)
鈴木 俊幸 中央大学, 文学部, 教授 (00216417)
小林 准士 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80294354)
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
鈴木 淳世 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特任講師(ジュニアフェロー) (00813130)
杉 岳志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40456306)
高橋 章則 東北大学, 文学研究科, 教授 (10187990)
小川 和也 中京大学, 文学部, 教授 (90509035)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 書物 / 社会変容 / 出版 / アーカイブズ / 資料保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.第1班~第6班までの6つの研究項目班で資料調査等を行い、研究に取り組んだ。 2.各地の史料ネット等と連携し、修復・クリーニング・整理の現場から書籍史料の歴史的意味について考えることにしているが、2019年度は、集中豪雨により日本各地が被災し、分担者である山本英二氏が信州資料ネットの立ち上げに関わった。本科研の研究協力者である大学院生が、被災した資料の修復・クリーニングに参加して、一定の貢献を果たすことができた。 3.安丸良夫の蔵書をはじめ現代の蔵書整理の体験を通して、書籍史料のアーカイブズ化の可能性と意義を考えた。 4.上述1と2の成果を持ち寄って「書物・出版と社会変容」研究会を月例で開催した。従来から研究会を開催している一橋大学佐野書院以外に、2019年5月に千葉県木更津市と共催で木更津大会(木更津市立図書館)を開催した。2019年11月には、豊橋市美術博物館を会場にして豊橋大会を開催し、各地の研究者・市民と研究交流することができた。 5.雑誌『書物・出版と社会変容』第 23号・第 24 号の原稿を、研究分担者及び研究協力者等から募集し,編集・印刷して、全国の図書館・史料所蔵機関等、さらには海外の研究機関に送付した。また、一橋大学機関リポジトリで発信した。 6.書籍史料に関心を持つ海外の研究者と交流し、書籍史料の可能性について国際的に議論するための準備を行った。具体的には、ライデン大学で国際シンポジウムで研究報告を行った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、書籍が、未来永遠に世代を超えて伝えるべきアーカイブズの一つであることを、社会に定着させることを目的としている。そのために今できることを、可能な限りやっていきたい。いったい蔵書・書籍から何が分かるのか、書籍を史料とした歴史・文化史研究の可能性を徹底的に追究すると同時に、書籍史料の可能性と歴史的意義を研究者から一般市民までの広範な人々にわかりやすく説明する必要がある。 あわせて、通常の一橋大学での研究会に加えて、木更津市との共催で千葉県木更津大会を、豊橋市美術博物館にて愛知県豊橋大会を開催した。地方大会には、各地の研究者に加えて、一般市民の方にも参加していただき、書物研究の裾野を広げるという本研究の目的に叶っているといえるであろう。2019年6月にライデン大学にて開催の国際シンポジウムで研究報告をして、ヨーロッパの日本学関係の研究者、大学院生と、書籍資料の可能性について議論することができた。 なお、当初予期しない事情で研究が遅れることがあった場合には、次の年度の重点領域として研究を深めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度も、1.第1班~第6班までの6つの研究項目班で、共同研究の課題に取り組んでいく。2.史料救済・保全活動と連携しつつ、講演会・研究会を開催していきたい。2020年度は、広島県で研究会を開催することになっている。また、3.蔵書の整理を進めるとともに、4.「書物・出版と社会変容」研究会を年に8回開催し、5.雑誌『書物・出版と社会変容』第25号、第26号を刊行し、一橋大学機関リポジトリで発信したい。
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Research Products
(35 results)