2020 Fiscal Year Annual Research Report
アーカイブズとしての書籍―書籍史料を次世代に伝えるために―
Project/Area Number |
18H03584
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
若尾 政希 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80210855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊幸 中央大学, 文学部, 教授 (00216417)
横田 冬彦 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (70166883)
高橋 章則 東北大学, 文学研究科, 教授 (10187990)
山本 英二 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (20262678)
小関 悠一郎 千葉大学, 教育学部, 准教授 (20636071)
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
望月 良親 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30814040)
杉 岳志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40456306)
佐藤 宏之 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50599339)
伴野 文亮 東北大学, 文学研究科, 助教 (60865624)
小林 准士 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80294354)
引野 亨輔 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90389065)
小川 和也 中京大学, 文学部, 教授 (90509035)
芹口 真結子 岐阜大学, 地域科学部, 助教 (70801158)
綱川 歩美 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (60882628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 書物 / 社会変容 / 出版 / アーカイブズ / 資料保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.第1班から第6班までの6つの研究項目につき、それぞれ班が研究に取り組んだ。 2.各地の史料ネット等と連携し、修復・クリーニング・整理の現場から書籍史料の歴史的意味について考えることにしているが、2020年度はコロナ禍により被災した資料の修復・クリーニング作業が中止されてしまった。オンラインでの会合等に参加して意見交換と情報交換をすることはできた。 3.個人宅を訪問しての蔵書調査、目録の作成は凍結・中断せざるを得なかった。代わりに蔵書目録から何が読み取れるのかについて考察を深めた。また、書籍史料のアーカイブズ化の可能性と意義を考えた。 4.上述1と2の成果を持ち寄って「書物・出版と社会変容」研究会を月例で開催した。一橋大学佐野書院での対面の研究会はできなくなったが、第135回「書物・出版と社会変容」研究会(2020年6月6日)から、オンラインで研究会を開催することにした。第138回「書物・出版と社会変容」研究会広島大会を2020年11月7日に開催すべく準備を進めていたが、対面での研究会は中止し、広島からオンラインで配信した。テーマは、「軍書の蔵書とその周辺」であり、軍書の蔵書について、多方面から検討することができた。なお、11月5,6日に、広島県江田島市の海上自衛隊第一術科学校教育参考館所蔵の旧海軍兵学校蔵書の調査を行い、多くの成果を挙げることができた。 5.雑誌『書物・出版と社会変容』第25号・第26号の原稿を、研究分担者及び研究協力者等から募集し,編集・印刷して、全国の図書館・史料所蔵機関等、さらには海外の研究機関に送付した。また、一橋大学機関リポジトリで発信した。 6.書籍史料に関心を持つ海外の研究者とオンラインにより交流し、書籍史料の可能性について国際的に議論するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、書籍が、未来永遠に世代を超えて伝えるべきアーカイブズの一つであることを、社会に定着させることを目的としている。そのために今できること を、可能な限りやっていきたい。総じて蔵書・書籍から何が分かるのか、書籍を史料とした歴史・文化史研究の可能性を徹底的に追究すると同時に、書籍史料 の可能性と歴史的意義を研究者から一般市民までの広範な人々にわかりやすく説明する必要がある。コロナ禍で、日本各地での研究会の開催と広範囲の人々との対面での交流は叶わなかったが、オンラインにより、日本各地、世界各地の、書籍に関心をもつ方々と画面越しで会うことができ、情報交換、意見交換はできた。個人宅での調査研究、資料所蔵機関での資料調査等は、大幅に制限されてしまったが、デジタルライブラリーとして公開されている資料が格段に増えてきて、そうしたデジタル資料とこれまで収集してきた資料を活用して研究自体は進めることができている。そうした成果をもちよっての研究会と、雑誌『書物・出版と社会変容』も、充実した内容になっており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、1.第1班から第6班までの6つの研究項目班で、共同研究の課題に取り組んでいく。2.史料救済・保全活動と連携しつつ、講演会・研究会を開催していきたい。また、3.蔵書の整理を進めるとともに、4.「書物・出版と社会変容」研究会を年に8回程度開催し、5.雑誌『書物・出版と社会変容』を年に2号刊行し、一橋大学機関リポジトリで発信したい。
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Research Products
(28 results)